熊本市議会 2015-02-24
平成27年第 1回予算決算委員会−02月24日-01号
平成27年第 1回
予算決算委員会−02月24日-01号平成27年第 1回
予算決算委員会
予算決算委員会会議録
開催年月日 平成27年2月24日(火)
開催場所
予算決算委員会室
出席委員 47名
坂 田 誠 二 委員長 田 尻 将 博 副委員長
三 島 良 之 委員 鈴 木 弘 委員
小佐井 賀瑞宜 委員 寺 本 義 勝 委員
高 本 一 臣 委員 西 岡 誠 也 委員
福 永 洋 一 委員 田 上 辰 也 委員
浜 田 大 介 委員 井 本 正 広 委員
大 島 澄 雄 委員 原 口 亮 志 委員
くつき 信 哉 委員 松 野 明 美 委員
田 中 敦 朗 委員 重 村 和 征 委員
上 田 芳 裕 委員 那 須 円 委員
園 川 良 二 委員 藤 永 弘 委員
紫 垣 正 仁 委員 澤 田 昌 作 委員
倉 重 徹 委員 大 石 浩 文 委員
ただ、質疑に関しましては、手心を加えずにやりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
時期が時期でございまして、我々はどうも最近、頭の中の落ちつきがなくて、取りとめもない質問になったら大変恐縮です。先におわび申し上げておきたいと思います。
では、早速質疑に入らせていただきます。
まず、1番目の項目でございます。国の経済対策と本市の予算についてということでお伺いさせていただきます。
御承知のように、国において、昨年9月にまち・ひと・し
ごと創生本部会議が設置されております。これは、人口急減、超高齢化という我が国が直面する大きな課題に対しまして、政府一体となって取り組み、各地域がそれぞれの特徴を生かした自立的で持続的な社会を創生することと示されているわけであります。
この実現に向けて国の総合戦略が策定されたところでありまして、これをもとに、来年度中に都道府県及び市町村においても、それぞれ総合戦略を策定することが要請されているのは、もう皆さん御承知のところでございます。
これは、我が国の人口が、50年後の2060年に現在の人口の約3分の2の8,600万人にまで減少するとの予測でありまして、これによって国力が衰えることが懸念されており、早急に効果的な対策を講じることが求められているためでもあると認識しております。現時点では、まだ本市は人口が増加傾向にありまして、昨年8月に74万人を突破したところですが、本市においても周辺の農村部におきましては人口が既に減少している地域もあることを忘れてはならないと我々は考えているところでもあります。さらに、近い将来、本市の総人口も減少に転じることが見込まれておりますので、今時点からの対策が必要であるということは言うまでもないことであります。
以上のような現状を鑑みますと、今回の安倍政権のまち・ひと・し
ごと創生本部の取り組み及びその一環として
地方創生交付金の交付は、本市にとってもまことにありがたい取り組みではないかと思っているところでもあります。
このような中、国は平成27年度予算の編成に当たり、平成27年度の予算とあわせ、地方への好循環拡大に向けた
緊急経済対策として、平成26年度の補正予算を編成されまして、地方に国の経済対策の成果を広く行き渡らせていくこととされています。この経済対策については、昨年4月の消費税改定後、7月から9月までに四半期連続でマイナス成長だった景気をいち早く回復軌道に戻すため、個人消費を支え地方の産業振興を後押しする経済対策であり、総額で3.5兆円が計上されております。
今回の経済対策の目玉は、4,200億円が計上されている地方自治体の自主的な取り組みを支援する交付金、いわゆる
地域住民生活緊急支援のための交付金の創設であります。地域の消費喚起や生活支援策を助勢するための
地域消費喚起生活支援型と、地方創生に向けた総合戦略の策定や先行的な取り組みを実施した自治体に交付される
地方創生先行型の2つに分類されているようであります。
本市においても、国の
緊急経済対策を2月補正予算に計上されていますが、具体的内容についてお尋ねさせていただきます。
初めに、
地域住民生活等緊急支援のための交付金、これは本市に幾ら配分されるのかお尋ねさせていただきます。
そして、2番目ですが、
地域消費喚起生活支援型につきましては、より消費喚起を促す取り組みが必要と考えますが、今回予算計上されています
プレミアム付商品券、
ふるさと名産商品券、
割引プレミアム付旅行券、これについてはどのような効果を見込んでおられるのか、発行額や
プレミアム率などの購入方法、使用方法等もあわせて担当局長にお尋ねいたします。
3番目に、
地方創生先行型につきましては、まち・ひと・し
ごと創生総合戦略の策定を初め地域産業の競争力強化や人材育成、移住促進などに要する予算が計上されています。地方創生については、先日の一般質問で、我が会派の坂田議員に対し、定住促進、少子化対策、交流人口の増加の3つの取り組みに加え、広域連携、多角連携都市の実現などを総合戦略の中核として設定することを検討と答弁されましたが、今回計上されている事業は、その先行的な取り組みとなるのかお尋ねいたします。
4番目に、さらに地方創生に関連して、
ふるさと納税についてお尋ねさせていただきます。
先日、NHKの「
クローズアップ現代」で、
ふるさと納税に関する特集があっておりました。御承知のとおり、この
ふるさと納税は、自分で選んだ自治体へ自主的に住民税や所得税を移すことができる制度であります。
放送は、「お礼に贈られる和牛や魚介類などの豪華な特典が話題となり、今やその規模が急拡大、ブームというべき盛り上がりの中で、年間の市民税を上回る億単位の収入を上げる自治体も次々とあらわれている。一方で、特典内容の高額化がエスカレート、自治体間で人気とり競争、税収の奪い合いが生じるなど行き過ぎと見える面も出てきた。本来は、お礼品の多寡で支持を集めるのではなく、すぐれた政策に対して寄附を集める、市民が用途指定できる税として制度化された面もあった。実際、物でつるだけでなく、いかに魅力ある政策を打ち出して寄附を得られるか知恵を絞る自治体も出てきた。地方自治をよりよいものにするために、
ふるさと納税をどう活用すればいいのか、各地で始まった多様な取り組みを紹介しながら、税と自治の関係について考えます。」と、
国谷裕子キャスターの語りかけで始まったわけでありますが、ある町の町長は、
ふるさと納税制度そのものが町の魅力を引き上げてくれたと語る一方で、ある自治体の財政担当者は、市民の皆さんがよそへ寄附されていくと、その分市民税が減るわけですので、住民サービスができないと。このように、この制度寄附をした人は、住む場所での税金が控除されるため、結果的に税収が減る自治体もあらわれているようであります。本市の
ふるさと納税の状況はどのような状況なのか、
ふるさと納税により税収はふえているのか、減っているのか、お尋ねさせていただきます。また、本市の
ふるさと納税に対する考え方及び対応策についても、あわせて担当局長にお尋ねさせていただきます。
〔
木下修一財政局長 登壇〕
◎木下修一 財政局長 財政局に関しては2点のお尋ねがございましたので、順次お答え申し上げます。
まず、
地域住民生活等緊急支援のための交付金についてお答えいたします。
地域住民生活等緊急支援のための交付金につきましては、国の
緊急経済対策で創設され、地域における消費喚起を国が支援する
地域消費喚起生活支援型に2,500億円、
地方版総合戦略の策定など、地方創生の
先行的取り組みを支援する
地方創生先行型に1,700億円、総額で4,200億円が交付されることとなっております。
お尋ねの本市への配分額についてでございますが、
プレミアム付商品券や
ふるさと名産品券等の助成経費に活用する
地域消費喚起生活支援型につきましては、人口をベースとして財政力や消費水準、給与水準に応じ交付されることとなっておりまして、本市への交付額として10億200万円を見込んでおります。
また、雇用の場の創出や移住促進など、地方創生の
先行的取り組みに活用する
地方創生先行型につきましては2段階での交付が予定されており、今回は基礎分として人口をベースに都市規模や財政力、地方創生の必要度に応じ交付され、2億2,500万円を見込んでおります。なお、上乗せ分につきましては、今後改めて国から示される見込みとなっております。
引き続き、本市の
ふるさと納税の状況についてお答えさせていただきます。
御案内のとおり、
ふるさと納税は個人が応援したい自治体に寄附をする制度で、寄附をした額のうち2,000円を超える部分については、原則として一定の上限まで所得税、個人住民税から全額控除され、結果として寄附をしたふるさとの自治体に税金を納めたことと同じような効果が生まれる制度でございます。
ふるさと納税に関する本市歳入への影響についてのお尋ねでございますが、直近の決算でございます平成25年度の状況は、熊本市民が他の自治体に寄附したことにより、本市の市民税額から控除された額は約1,006万円であるのに対し、他の自治体に住んでいる方が本市に対し
ふるさと納税として寄附されたことにより増加した収入が約338万円となっており、市税控除額が寄附収入を上回っている状況にございます。
〔
多野春光農水商工局長 登壇〕
◎多野春光
農水商工局長 地域消費喚起生活支援型交付金の活用について、私からは農水商工部門の取り組みについてお答えいたします。
この交付金を活用し、まず域内の消費を喚起するため、商店街や食肉、青果等の店舗で利用できる
プレミアム付商品券の発行、また域外からの消費を喚起するため、本市特産物のネット通販による割引販売を実施することといたしております。この取り組みによりまして、域内の消費拡大はもとより本市特産物のPRや販路拡大を図るとともに、子育て世代など市民の皆様の生活支援につなげたいと考えております。
次に、この商品券の
プレミアム率につきましては、商店街等で広く利用できる商品券は15%程度とし、特に
子育て世代向けのものは上乗せを行うほか、食肉、青果等の商品券につきましても20%程度を考えているところでございまして、発行額は総額約38億円程度を想定しております。また、本市特産物のネット通販につきましては、域外の方々の関心を引きつけるため、30%程度の割引販売を考えているところでございます。
最後に、商品券の購入方法等につきましては、今後設置を予定しております
商工団体等関係機関で構成する実行委員会におきまして詳細な内容も含め協議をすることとしておりまして、この中でしっかり検討を行い、より多くの市民の皆様に利用いただけるような商品券を目指してまいりたいと考えております。
〔
西島徹郎観光文化交流局長 登壇〕
◎西島徹郎
観光文化交流局長 私の方から、2点のお尋ねにお答えいたします。
まず、
割引プレミアム付旅行券についてお答えいたします。
割引プレミアム旅行券、いわゆる
ふるさと旅行券の効果についてでございますが、
インターネットの旅行サイトや旅行代理店を活用して旅行商品の割引販売を行うことによりまして、首都圏と全国から観光客を呼び込み、市内で宿泊を初め飲食、土産、交通などの消費を喚起する効果があると考えております。
発行額についてでございますが、
旅行商品換算で約2億6,000万円を予定しております。割引率についてでございますが、現在検討中でございまして、宿泊施設や航空券の利用に際し一定額を割り引くことを想定しております。今後、国の動向を見きわめ、熊本への旅行を選んでもらえるような制度設計を行う考えでおります。
購入及び使用方法についてでございますが、市外の方ができるだけ容易に購入できるように、
インターネットや旅行サイトやコンビニエンスストアでの購入、宿泊等で使用する形態を考えているところでございます。
次に、
ふるさと納税の考え方及び対応策についてお答え申し上げます。
議員もお述べになりましたように、
ふるさと納税については、近年、各自治体の特徴ある返礼品が注目されマスコミに多く取り上げられ、寄附件数、寄附額が増加している自治体もございます。一方、国におきましては、これも議員のお話にありましたように、平成27年度税制改正大綱において、
ふるさと納税をさらに促進することも盛り込まれますとともに、返礼品等の送付について良識ある対応を地方自治体に要請されたところでございます。
このような中、本市におきましては、これまで熊本城を初めといたしました歴史文化的な17施設を無料で利用できる優待証、
ふるさとパスポートを提供してきたところでございますが、今回示された国の方針を踏まえ、地域活性化の観点から、本市の課題の一つでもございます伝統工芸の振興を図るとともに、県民総参加の共同チームであります
ロアッソ熊本支援に寄与できる返礼品を平成27年度から新たに加えたいと考えているところでございます。
いずれにいたしましても、本市に愛着があり、また本市を応援しようと思ってくださる方々の
ふるさと納税を促進する仕組みを構築してまいりたいと存じます。
〔
原本靖久企画振興局長 登壇〕
◎原本靖久
企画振興局長 私からは、
地方創生先行型の事業に関する御質問にお答えさせていただきます。
地方創生先行型は、地方が直面している人口減少などの構造的な課題に対応いたしますため、まずは仕事づくりなどにより地方の活性化を促していくことを目的とするものでございます。
本市における人口動態の特徴の一つといたしまして、若い男性の域外流出が多くなっていることが挙げられ、これは地方都市特有の雇用の場が不足していることが主な要因であるとの認識から、定住促進の取り組みを強化しているところでございます。
そこで、今回の
地方創生先行型事業では、定住促進の中でも速やかに着手可能な創業支援などの仕事づくりに重点的に取り組むこととしておりまして、来年度に策定する総合戦略の先行的な事業となるものであると考えております。
〔倉重徹委員 登壇〕
◆倉重徹 委員 丁寧に御答弁いただきまして、ありがとうございました。
まず、子育て世代に関してでございますが、少子化対策の一環としても、ぜひ子育て支援への特別な配慮が欠かせないものだと思いますので、どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。
また、今回この内容について質問させていただきましたのは、今回計上されている予算が、私の余計な心配かもしれませんが、過度な競争の中に巻き込まれて、次の補正、そして次の補正という中でどんどん膨らんでいくおそれをはらんでいるものですから、それについての皆さんの御意思をきちんと確認しておきたかったというのが一つの内容でございました。そういう意味合いで、
プレミアム付商品券についてや
ふるさと納税についてという部分について、予算計上の部分について若干質問させていただいた次第でございます。
今の御答弁をお伺いしますと、あくまでも熊本市は過度な競争の中に巻き込まれることなく、きちんとした熊本市のPRをしながら、ネットも利活用して現代の状況に合った中で運営をしていきたいということで、この予算を活用していきたいということのようでありますので、少し安心した次第でございます。どうぞよろしくお願いしておきます。
それでは、続きまして、市長直属の今回、市長政策総室の設置について、若干の予算が計上されておりましたので、この機構改革について質問させていただきたいと思います。
まず、お断りしておきますが、総務委員会の案件でございますので、本来であると総務委員会でやれと言われるのかと思いますけれども、実は総務委員会で言うのは簡単でございますが、今回
予算決算委員会の中でお伺いしますのは、私の感覚的なものの中で、これは恐らくというよりも間違いなく市長の肝いりの機構改革の一つであろうと私は確信しているわけでありまして、そんな中で事務机の購入経費程度の予算しか計上されていないというのは、逆に言うと私はとても不満でありまして、新しく当選されてから時間的な余裕もまだなかったと思いますので、それはそれでしようがないとは存じますが、ぜひ遠慮することなく、市長の思いのたけも我々はよく存じておりますので、その政策の実現のために、今回組めなかった分は、先ほどの話とは今度は逆の話でございまして、6月の補正であり、9月の補正であり、どうぞ御遠慮なくどんどん出していただいて、思い切った政策の中に、この市勢の繁栄のために投入していただきたいという思いで、ちょっと今回の購入経費程度の、政策総室の設置経費程度のものだったので、それについてこの場で市長の御意見を、思いのたけをお伺いしたかったので、ちょっとだけ聞かせていただきたいと思います。
まず、市長公約、マニフェストにも掲げられていた市長政策総室であります。これに伴いまして、企画振興局の名称を市民局に変更するというものもあるようでございますが、要するに企画振興局の企画部門を独立させて、市長政策総室として、より権限を持たせるというものではないのかなと思っているところでもあります。そうであれば、私は、この市長政策総室の設置は、余計なことではありますけれども、もろ刃の剣ではないのかと懸念するところもあるわけでございまして、確かに市長が公約を一つ一つ実現しようとすると、担当する部局が1つにとどまらず複数ある場合は、連携調整が必要となると考えます。したがって、このような組織があった方がよいというのは、もちろん私も先ほど申し上げましたように理解しておりますし、どんどんここに予算を計上していただきたいし、市勢の繁栄のために使っていただきたいと思うわけでありますが、1つだけ、この場でなじむのかどうかわかりません。なじまなかったら申しわけありませんが、もしその権限がこの市長政策総室に集中して、ここにお伺いを立てないと予算の計上もままならないなどという事態が生じますと、市の職員の意欲の低下にもつながってしまいます。それはもう市長が、もちろんよくおわかりのことだと思います。それこそ余計なお世話かと思いますが、これは危惧するところでもあります。
そこでお尋ねいたします。前述しましたように、この市長政策総室は、市長の130項目に及ぶマニフェスト実現のために重要な役割を担うことになると思いますが、この市長政策総室にどのような役割と権限を持たせるおつもりなのか、詳しくなくても結構でございます。
また、大西市長は、さきの我が会派の坂田議員の一般質問で新年度予算について、誰もが憧れる上質な生活都市くまもとの実現に向け、緊急性が高く早期の実現が可能な事項については、できる限り新年度予算に盛り込んだと答弁をされておられました。先ほど申し上げましたが、限られた時間の中での予算編成で、御苦労も多かったと拝察いたします。時間がなく盛り込めなかった事業もあるのではないかと思いますので、これは何度も申し上げますが、今後の補正予算で追加予算措置されることになるのかなと思いますし、ぜひそうしていただきたいと願うものでもあります。
さらに、市長政策総室への権限集中へのおそれと職員意欲の低下に対する配慮と考え方についても、できれば大西市長にお尋ねしたいと思います。よろしくお願いいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 市長政策総室に対するお尋ねについて、順次お答えしてまいりたいと思います。
まず、市長政策総室の役割についてでございますけれども、私がマニフェストの中で組織改編について言及しておりますのは、市民の皆様からいただいた要望や提案を各種政策として早期に実現していくためには、まちづくりの基本方針を明らかにする新総合計画でありますとか、地方創生に向けたまち・ひと・し
ごと創生総合戦略など、熊本市の将来を展望した計画を早急に取りまとめるとともに、それらを着実に実行していく体制を構築していかなければ、私の思い描くまちづくりを実現できないという思いからでございます。
また一方で、多くの市民の皆様との政策立案会議の場において感じたことは、市民生活にかかわる問題が複雑多様化し、多岐にわたる分野を1つの部署で解決できない事態ということにもなっておりまして、このような複合的な課題を何とかしていかなければならないという思いも強くしたところでございます。
このようなことを踏まえ、現在の組織をより政策形成や政策調整機能を強く発揮でき、迅速かつ的確な意思決定を図れるものとするために、その役割を担う市長政策総室を設置することで、私自身がリーダーシップを発揮し、全職員一丸となって政策実現や課題解決に取り組める体制で、今後臨んでいきたいと考えているところでございます。
次に、補正予算での追加措置ということでございますけれども、一般質問でお答えいたしましたとおり、市長就任後、限られた期間ではありましたものの、マニフェストに掲げた施策を可能な限り新年度予算に盛り込むことで、誰もが憧れる上質な生活都市くまもとの実現に向けた取り組みの第一歩となる予算編成ができたのではないかと考えております。
マニフェストに掲げた政策の中には、新年度の予算に反映できなかったものもございますけれども、今後市の施策としてどのように実現していくのかについては、特に新年度新総合計画の策定を進める中で具体的に検討していくことから、基本的には平成28年度当初予算以降で予算計上になるものと考えております。
それから、市長政策総室に権限が集中する、あるいはそのことにより職員の意欲が低下するのではないかという御指摘でございますけれども、政策の事業推進に当たっては、あくまでも各局が主体性と責任を持って取り組んでいくことが基本であるということから、市長政策総室と各局の相互の役割分担の明確化や政策立案と事業局との調整の仕組み等を十分考慮することによりまして、全職員が共通の認識のもと、有機的で一体的な連携が図れるよう取り組んでまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、マニフェストに掲げた130項目にわたる政策につきましては、新年度に新総合計画を策定する中で、議員の皆様や市民の皆様の御意見を伺いながら、必要な予算や体制の充実を図って、誰もが憧れる上質な生活都市くまもとの実現に向けて取り組みを進めてまいりたいと考えております。
〔倉重徹委員 登壇〕
◆倉重徹 委員 余りにも予算計上が少な過ぎたので、逆に心配したということもありますし、市長がずっとお考えになられていたものを、ここでまず優先順位的に何かを1つ実現するための予算を計上されてくるのかという思いもあったものですから、この予算案を見たときにええっと思いましたので、今回あえて質問させていただきました。
ただ、今市長のお話をお伺いいたしまして、市長政策総室の役割についてはよく理解いたしました。そういうことでありますればぜひ、今後十分に検討されて、そしてその中で130項目の公約を実現できるように、一つ一つ市一丸となって、どうぞ取り組みをされますように、我々も当然協力させていただきますので、そういう思いでよろしくお願いいたしておきます。
それでは、続きまして、区長及び区役所の権限強化とまちづくり予算についてお伺いさせていただきます。
本市が政令指定都市に移行して、区役所が設置されて3年近くが経過いたしました。一般質問でも申し上げたことがありますが、政令指定都市になって何も変わらないが、市役所が身近に感じられるようになった、区役所ができてよかったという声も聞かれるなど、総じて区役所における市民サービスは好評のようであります。しかしながら、区民から寄せられる課題の解決となると、区役所に権限がないこと、特に生活道路の整備などのハード面の場合、本庁への伝達あるいは協議が必要となっておりまして、解決に時間を要することになるようであります。それでも課題が解決すればよいのですが、時間がかかった上に要望どおりに事が運ばない場合などは、市民の不満が募ることになるかと思います。
私は、もう少し区長の権限を強化していただいて、使える予算もふやして、住民に身近な区役所で生活に密着した課題が解決できるようにするべきであると以前から申し述べてまいりまして、今回、これに対しましてももう少し予算が増額になるのかなと期待していたところであります。熊本市と移行経緯や都市規模が似ている新潟市におきましては、区役所で生活道路の維持管理も行っているそうでありまして、名実ともに大区役所制がとられていると聞いています。
本市は政令指定都市移行時、大区役所制を目指すとのことでありました。実態は、大区役所制にはほど遠いという気が今いたしております。このようなことから、自由民主党市議団の平成27年度予算及び事業等に関する要望にも、区長権限の強化とまちづくり予算の拡充を盛り込ませていただいているところでもあります。さらに、大西市長も公約に住民に身近な区役所で住民生活に関することが完結できるよう、区役所権限の強化を掲げておられます。区長及び区役所の権限強化並びに本市の大区役所制についてどのように考えておられるのか。また、今回まだ増額が我々の要望のところまでいっていないようでありますが、また、各区のまちづくり予算の拡充のお考えはないのか、大西市長にお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 大区役所制の考え方についてお答えいたします。
平成24年4月の区役所の設置に当たっては、区役所も地域における行政サービスの拠点と位置づけ、法令に基づき、区の事務とされている戸籍、住民基本台帳事務などの住民サービスの提供はもとより、住民に身近な福祉や健康づくり、区民との協働によるまちづくりの推進などの業務も取り扱う、いわゆる大区役所としてスタートしたところでございます。
区役所設置後約3年が経過いたしまして、区役所運営に関するさまざまな課題が見えてきた中で、住民に最も身近な行政機関である区役所の機能や役割を整理する必要がございまして、現在、区役所のあり方に関する基本方針の素案を取りまとめたところでございます。その基本方針素案では、本庁と区役所の役割分担を明確にし、行政事務の効率化や迅速化を図りつつ、区役所で把握した地域課題やニーズを市政に反映させていくために、区長の権限強化や区の独自性が発揮されやすい体制を構築することとしておりまして、今後、実施プログラムを作成する中で、具体的に取り組んでまいりたいと考えております。
また、各区のまちづくり予算の拡充についてのお尋ねでございますけれども、各区のまちづくり予算につきましては、各区が策定したまちづくりビジョンに基づき、各区のまちづくり懇話会の御意見を伺いながら、地域の特色を生かした自主自立のまちづくりの推進に向けた事業に取り組んでいるところでございます。平成25年度に各区1,000万円を上限とした予算額でスタートし、平成26年度には各区2,000万円を上限に拡充し、また区役所が直接予算要求できるような体制を整えたところでございます。
今後、地域課題の解決や自主自立のまちづくりの推進に向け、区役所の権限、それから機能強化に取り組むとともに、地域活動助成制度の拡充など、まちづくり予算の充実に努めてまいりたいと考えております。
〔倉重徹委員 登壇〕
◆倉重徹 委員 今回、いきなり拡充してくださいというのは無理なのはわかっているわけでありまして、そこまでは申し上げませんが、今御答弁いただきましたように、それぞれの区が独自性を出して、本当にそれぞれのまちの特色を生かした中で発展ができるように、今後、ぜひまちづくり予算に関しましては、さらなる拡充の取り組みをどうぞよろしくお願いをしておきます。
また、大西市長の聞く姿勢、話す姿勢、動かす市政、これが耳にとても残っておりまして、大変すばらしいと思います。市民のみならず、我々議員にもぜひそのような姿勢で臨んでいただければと願うところであります。
私は、これまで本会議の質問では、一貫して本市将来の発展につながる取り組みを熊本市は行っているのかという視点から、時には私の提案も交えながらお尋ねさせていただいてまいりました。来年度中に策定されるでありましょう本市版の地方創生の総合戦略は、見直しがなされる第6次総合計画とともに、本市の素案がまとまった時点で市議会との意見交換や協議もよろしくお願いいたしまして、私の今回の質疑は終わらせていただきます。ありがとうございました。
○坂田誠二 委員長 倉重徹委員の質疑は終わりました。
次に、紫垣正仁委員の質疑を行います。
〔紫垣正仁委員 登壇〕
◆紫垣正仁 委員 改めまして、おはようございます。
今回、大西市長との公の場での初めて議論になります。当然のことですけれども、貴重な税金が使われている場でもございます。建設的、生産的なものになるように御協力をお願いしたいと存じます。
実はこの総括質疑、私は予定しておりませんでしたけれども、どうしても議論、確認をしておかなければならないことが出てまいりました。自由民主党を代表しまして、この桜町・花畑の再開発事業に関してお尋ねを進めてまいりたいと存じます。あえて一点集中でまいりたいと存じます。
今回、補正、当初予算合わせて、補正の方では4,480万円、当初の方ではMICE推進事業費で5,810万円、(仮称)熊本城ホール整備事業では3,800万円の予算が計上されております。それなりの金額である。これが計上されているさなかではありましたけれども、重要な問題が出てまいりました。9億円増の多目的ホールの問題であります。これに関して、先ほどの桜町・花畑地区再開発事業に関して、大きく言えば3項目、情報管理、情報発信についてと、2つ目、事業申請がされたものに対する認可について、このスケジュールも含めて、また、3番目が私も中心市街地の活性化に関する特別委員会の委員ですけれども、熊本県と大学とのかかわり、これまで、そしてこれからという部分、お尋ねしてまいりたいと存じます。
まずは、1点目の情報管理でありますけれども、2月13日の再開発会社との精査・再検討会議において、その後のぶら下がりの場で、この9億円増のお話が出てまいりまして、我々議会もそのぶら下がりを受けた報道、テレビ、新聞等で知ることになるわけですけれども、このあり方がいかがなものかと私はやはり思うところです。
まずはこのことに関して、市長の真意とあり方に対してのお考えをお聞かせ願いたいと存じます。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 桜町・花畑地区再開発事業に関する情報管理のあり方ということが一つの大きなお尋ねだろうと思いますが、このMICE施設のことについては、選挙戦の際にも市民の皆様に事業精査・再検討することをお約束いたしました。また、就任後、これまで2カ月の間、精査・再検討会議での協議のたびに、直ちに報道取材をお受けして、そこを通じて市民の皆様に協議の結果を明らかにしてきたところでございます。
今回もまた、2月13日の会議の直後に協議結果の概略について報道機関にお話をすると同時に、議会に対しても正副議長、各会派の団長、中心市街地の活性化に関する特別委員の皆様方、それから経済委員の皆様へ電話連絡等でお伝えいたしまして、詳細はその翌週に開催される予定でございました特別委員会で報告するという旨をお伝えしたところでございます。
今後とも、市議会の皆様への丁寧な御説明に努めてまいりたいと考えております。
〔紫垣正仁委員 登壇〕
◆紫垣正仁 委員 市長、そこの認識のところをもう一度やはり確認させていただかなければいけませんけれども、これからにもかかわってきますので、ぜひお答えいただきたいんですが、やはり議会制民主主義の根幹にもかかわってまいりますので、二元代表制の中で市民に情報を開示する、なるだけ早くというお気持ちもわかりますけれども、ぶら下がりという場で、果たしてこれだけ大事な案件、9億円増という問題を発信していいのかと私は思うわけです。
もう直後には中心市街地活性化に関する特別委員会もございました。私としては、その場でもよかったでしょうし、例えば平成24年11月27日に、前市長がまさにこの場ができ上がってすぐのときに、この事業を取りかかりたいという発表をされたんですけれども、そういう形の全員協議会という場でも私はよかったと思うぐらいのこれは大きな問題だと認識しておりますけれども、そこに関してのお考えをお聞かせください。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 今、マスコミの皆さん方のぶら下がりに対して、その大きな予算の増額について説明するのはいかがなものかということでございましたけれども、私も概略のこの記者の皆さんへの説明を行いましたところ、詳細については、当然中心市街地活性化に関する特別委員会の方で御報告するということで、その場ではお答えしたところでございますけれども、取材の中で、記者の皆さん方の質問の中で、ではどれだけアップするのかということで、約9億円増額しますということで、質問に対してはやはり誠実にお答えすべきだろうと思いましたので、その場で別に隠すということではなく、きちっと誠実に取材に対してお答えしたというところでございます。
ただし、議会での審議についてはより詳細なものをお示しする必要があるということは、当然その場でも申し上げたところでございまして、そこに関しては、このMICE施設整備事業の精査・再検討に関する報告書を委員会にも出させていただいております。そのぶら下がり取材の中では明らかになっていなかったいろいろな財政上の問題でありますとか、あるいはその稼働の、例えば想定催事件数でありますとか、そういった詳しいことも御報告させていただいておりますので、その中で十分に御審議いただけるものだと考えておりましたものですから、そういう形をとらせていただいたということでございます。
何よりも、市民の代表であります議員の皆様方にできるだけ早く適切に情報を提供するということは、我々は当然のことだと思っておりますので、その点は今後も努めてまいりたいと考えておりますし、また、報道の取材に対してもできるだけ誠実に答えるということには、当然のことながら努めてまいりたいと考えておりますので、ぜひ御理解いただければと思います。よろしくお願いいたします。
〔紫垣正仁委員 登壇〕
◆紫垣正仁 委員 この情報管理、情報発信については、やはり慎重に私は行っていただきたいと思うわけです。決して隠せとかという話ではなくて、早く議会に言わなかったからどうこうという次元の話ではなくて、我々は二元代表制のもと、市民の方々から負託を受けて立場をいただいているわけです。もうそれは釈迦に説法かとは思いますけれども、そういう中でマスコミの方を通じて放送ベースで報道される、しかし全市民がそれを知るわけではないわけですよね。ですから、どこを公の場として、どこで最初にきちんとした形でオフィシャルに発表するかというところは、もう少し慎重に私は進めていただきたい。特に、今回のこの9億円というのは、300億円、400億円という数字が飛び交いますので、つい錯覚に陥って感覚が麻痺してきて、小さい額ではないかと思われているからこういう扱いなのかと市民の声も聞きましたし、我々も思ってしまうんですけれども、それはそうではない。やはり9億円というお金は大きいです。東区役所が建とうかとするような金額ですので、それに対して、しかもこの9億円というのはMICE施設のさらなるグレードアップなり魅力アップにつながるというお考えでしょうから、もうちょっと丁寧に事前に公の場で議論している議会、委員会の方へ情報を発信していただかないと、その直後にありました中心市街地活性化の特別委員会、もう議論の時間が限られるわけですね。ですから、なるだけ早くそういう情報というのは我々も知った上で建設的、生産的な議論をしたいんですけれども、こういう拙速な感が否めないような形では、非常に議論も中途半端になりかねない。やはりそこのところは指摘せざるを得ないと思います。
また、やりとりを私も職員にさせて、局の方にさせていただく中では、市長がまさかそこでぶら下がりで話されるとは思わなかったという言葉もありましたので、そういう意味での情報管理というのは、私は指摘せざるを得ないところであります。その意思の疎通というところも含めて指摘をさせていただきたい。
それと、最後にもう一点、再開発会社と協議をして、精査・再検討会議で情報を発信されたわけですけれども、言うなれば再開発会社はあちら側のお金を出す側ではありませんから、お金を出して、それに対する責任があるのは市民の方々から負託を受けている議会であり、市長であると思いますので、むしろ再開発会社と精査・再検討会議をされる前に議会の方に、こうこうこういう方向でいきたいんだけれどということを私は行われるべきではなかったかと思うわけです。
それに対しては、市長はどうお考えでしょうか。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 再開発会社との精査・再検討会議の前に議会にきちんといろいろな経緯についても御報告すべきだというのは、私もそのように考えておりますけれども、何分、とにかく時間が非常にタイトな中で再開発会社との協議を設定したということもありまして、その点が十分でなかったという御指摘でございますれば、本当にもう少しいろいろな方法があったのではないかと、今振り返ってみますと考えるところでございます。
これからも、できるだけその中身についてはいろいろな形で議会にも丁寧に御説明してまいりたいと考えておりますので、どうか今後の、またあしたも議論していただくということになっておりますので、そういった中で御議論いただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
〔紫垣正仁委員 登壇〕
◆紫垣正仁 委員 市長も素直にお認めになりましたので、そこは、こちらもなるだけ理解したいとは思うんですけれども、報道ベースといいますか、事後報告といいますか、そういう形になると、もうそれがひとり歩きをしていってしまいますので、議論も既成事実ができたみたいな話で、非常にやりにくい部分があるのは、市長も議員をされていたので御理解いただけると思います。ぜひ今後このようなことがないようにしていただきたいと申し上げておきます。
スケジュールがタイトであるというお話が出ましたけれども、それに関して、次の認可についてお尋ねさせいただきたいと思います。
中心市街地活性化の特別委員会でも、資料がもうかなり配付される中でも示されておりますけれども、再開発会社が想定している部分ですけれども、今後のスケジュールというのが示されております。事業申請がされているのは御案内のとおりですけれども、認可をできれば今年度中、3月いっぱいにさせていただきたいというお考えのようです。それだから時間がタイトであるというお話だったと思うんですけれども、どうも私も最初からこれに携わっていて、それなりに議会の中でも詳しいつもりではいるんですけれども、この認可なり急がないとどういうデメリットがあるのか、なかなか見えないんです。実際、市の職員とも局の方とも議論させていただく中でも、なかなかそれが見えてこない。実際、例えば認可がおくれたりした場合にどういうデメリットがあるのか。タイトとおっしゃいましたけれども、17日に実質的には公に詳しいことが出てきて、1週間ちょっと後の25日に、また中活の委員会をして、そこでもう取りまとめをしなければいけない、我々も改選がございますので、スケジュール自体も非常にタイトといいますか、十分な議論がこれでできるんだろうかという不安、心配を我々も抱きますし、市民の方々も抱かれるのは当然のことかと思うわけです。
この認可のスケジュール、そして再開発の今後のスケジュールについて見通しを、今わかる限りでいいのでお答えいただければと思います。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 まず、認可について、スケジュールということでございますけれども、桜町地区の第1種市街地再開発事業の施行認可申請は、昨年11月18日に提出されましたが、私は12月3日の市長就任以降すぐに桜町再開発事業及びMICE施設について精査・再検討を開始し、その内容について、市民の皆様との意見交換をする場や市のホームページ等さまざまな機会を捉え、御説明させていただいたところでございます。
また、議会に対しても、1月26日に中心市街地の活性化に関する特別委員会を開催いたしまして、その中でMICE施設整備事業の精査・再検討内容について中間報告を行いまして、先ほどもお話ししたとおり2月17日には、この2月13日の精査・再検討会議での結論を踏まえた御報告を行ったところでございます。さらに、あす25日にも御議論いただく予定となっておりまして、その結果を踏まえて手続を進めることとしております。
なお、都市再開発法に基づく施行認可の審査につきましては、平成10年の建設省通知により、おおむね80日間が標準処理期間とされておりまして、法的な要件が満たされていることが確認できれば認可しなければならないものでございまして、そのようなことからも(仮称)熊本城ホールの整備について、一定の方向性がまとまれば速やかに認可に向けた手続に入るべきものと考えております。
次に、再開発のスケジュールについてでございますが、熊本桜町再開発株式会社が当初想定されていたスケジュールでは、平成30年春の完成の目標とされておりました。しかし、昨年4月の都市計画決定以降、事業計画が作成されていく中で、震災や東京オリンピック等による労務費や資材の高騰に加え、地盤調査に伴う建築基礎の見直しなどにより、規模縮小や設計変更等によるコスト縮減に努められ、計画全体の見直しが行われたところでございます。そのような中におかれまして、再開発会社では全国の建築市場動向や金融機関等を初め、関係各所と調整の上、資金計画を策定されておりまして、事業を行うに当たり適切な時期と判断され、11月の施行認可申請をなされたものと考えております。
現在の想定では、施行認可が取得でき次第、権利変換計画を作成して、ことしの夏に向けて認可申請がなされるという予定でありまして、この権利変換計画の認可を受けて解体工事に着手され、約2カ年の建築工事期間を経て、平成30年秋ごろの完成を目指されているというところでございます。
なお、本市といたしましては、平成30年代初頭には、サブターミナルを含む熊本駅周辺整備やJR九州の0番線跡地の開発が行われる見込みであることから、それまでに中心市街地全体のにぎわいを創出していく必要があると考えておりまして、2核3モールの1核である桜町の再開発事業は、できるだけ早く完成されなければならないと考えているところでございます。
〔紫垣正仁委員 登壇〕
◆紫垣正仁 委員 ある程度流れがわかっている私からすると、それなりに理解できますけれども、なかなか複雑なところもあるのも事実だと思います。
このスケジュール、3月末の認可ということに対して、後にずっと影響してくるというのも、もちろんわかるんですけれども、市が急ぐ理由、デメリットは何かという話を私も議論させていただいていた中で、最後に答弁がありましたけれども、平成30年代初頭にサブターミナルを含む熊本駅周辺整備があり、またJR九州の0番線跡地の開発が行われる見込みであると。だから、それまでに間に合わせてというお考えだと推察しますけれども、違えば後で反論していただきたいんですけれども、振り返ってみると新幹線が来る、そして城彩苑をつくるということがあったんですね、市の事業で。このときも、新幹線が来るから早くつくらなければいけない、城彩苑も、そして森都心プラザもという駅前の東地区のところですね、話がございました。
しかし、実際、森都心プラザになっている東A地区のところは1年おくれたんですね。開業のときにはブルーシートがかかっていたという状況でした。実際、1年おくれたからどれだけの実害とかデメリットがあったかというところは、皆さんお感じだと思うんですけれども、再検討、検証が必要なのではないかと私は思うんです。ですから、これだけ市政史上最大の事業ですから、結果的に拙速をもってよしとせずとならないように、慎重に慎重であって当然だと、特に議会の立場として私は言わざるを得ないわけです。
その中で、これは確認なんですけれども、この資料の中でずっと示されておりますけれども、もしタイムスケジュール的な部分、認可がずれ込むという可能性もあるんでしょうけれども、3月いっぱいで認可申請があり縦覧になったとする。その場合に、本予算といいますか、この23億円にかかる本予算が議会にかけられる。その時期がいつになるのかお答えいただきたいと思います。
〔永山國博都市建設局長 登壇〕
◎永山國博 都市建設局長 私からお答えいたします。
予算については、桜町関係は来年度調査と、それから解体経費の一部の予算を計上させていただいています。MICEの取得に係る予算関係につきましては、平成28年度の予算の中で要望するということで、今計画されているところでございます。
〔紫垣正仁委員 登壇〕
◆紫垣正仁 委員 非常に大事なところですので、再度確認いたします。
このスケジュールでいくならば、解体工事が11カ月という中で、6月のところまでかかってきておりますけれども、そうなるならば、そちらにもあると思いますけれども、この11月に配られている資料でいくならば、このスケジュールでいくと平成28年、来年の6月議会、第2回定例会に上程される予定になると理解してよろしいですか。確認をお願いします。
〔永山國博都市建設局長 登壇〕
◎永山國博 都市建設局長 再度お答えいたします。
先ほどお話ししたとおりでございまして、建設の工事に係る予算、それから建設の工事に係る助成の予算、それとMICEの床取得の予算、これは平成28年度の当初予算として要望させていただくことになると考えております。
〔紫垣正仁委員 登壇〕
◆紫垣正仁 委員 今確認がとれたと思いますけれども、あくまでも今の再開発会社の想定のスケジュールでいけばという話だと思いますけれども、言うならば基本計画を議会として承認はしておりますけれども、その先はまだ今議論中なわけですね。そこも改めて確認させていただきたい。ですから、今回認可、次は縦覧に進むわけですけれども、公にこれをオープンにして、その中にそごがないかとか、おかしいところはないかというのをチェックする段階に入るということだと思いますが、さらに本体の予算については、議論は続くと私も理解させていただきます。
それでは、3点目の熊本県、大学とのかかわりについて、これも私も特別委員会で当初からお話しさせていただいているんですけれども、もともとこの大型集客施設、MICE施設、市長いわく(仮称)熊本城ホールというのが熊本市に必要だというお話は、くまもと都市戦略会議で出てきたわけです。熊本県知事、そして前市長、熊本大学の学長という場で、それはやるべきだ、ぜひ熊本市に必要だからと。にもかかわらず、どうしても熊本市だけが何か荷物を背負っているように私は思えてならない。他都市を例にとっても、やはり県、市、学会にかかわるような大学の関係の方々、また商店街も含めて、ひいては市民、県民を巻き込んで、それはやはり熊本市の魅力アップ、その都市の、その県の元気づくり活性化のためには必要だという機運が高まって進んでいくべきものだと思うんですけれども、どうもこのMICE計画の部分が、熊本市が大きな荷物をひとりで背負っていると先ほど申し上げましたけれども、思えてなりません。
これに関して、市長もなられてそう時間はたっておりませんけれども、推進という決断をされておりますので、県の方に議員でもいらした経緯もございますので、今の現状とこれからの課題についてお話しいただければと思います。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 MICE推進につきましては、(仮称)熊本城ホールの整備を本市が担っているわけでございますが、都市戦略会議のメンバーである熊本大学においても、本市における学会の開催に尽力していらっしゃいまして、また熊本県はグランメッセ熊本の運営を通して、市内へ大きな経済効果を及ぼしているところでございます。
そのような中、ハード整備だけではなくオール熊本でそういった誘致に取り組むべく、都市戦略会議が発起人となって熊本市のMICEにかかわる69団体で構成するくまもとMICE誘致推進機構を立ち上げたところでございます。機構では定期的に総会を開いて、MICEに対する理解を深めるとともに、施設整備の進捗状況も報告をし、ホームページも活用しながら情報の共有化を図っているところでございます。
議員御指摘のとおり、熊本県、熊本大学はもちろんのこと、機構構成団体を対象に誘致促進、それからおもてなしの取り組み強化の推進役となるチームMICE育成講座を開催するなど、この機構の枠組みを最大限に生かしながらMICE誘致に取り組んでまいりたいと考えております。
また、私自身、先般開催されました都市戦略会議におきまして、(仮称)熊本城ホール整備事業の進捗状況を報告するとともに、改めてMICEの誘致促進に対する県、大学、経済界の御理解、御協力をお願いしたところでございます。
〔紫垣正仁委員 登壇〕
◆紫垣正仁 委員 市がリーダーシップをとるのは、もちろん構いません。しかし、福岡市が実質的には全国ナンバーワンですよ。あとはもう東京圏なわけですから。そこを見てもわかるように、県、そして大学機関、また経済団体、市民等も含めて、本当にオール福岡、チーム福岡になっているがゆえにあれだけのことができている。そして、今でさえ施設も地方ではナンバーワンと飛び抜けて充実されております。アジアに向けての玄関口にもなっているというのもあるんでしょうけれども、さらに足りないところを補充していってパワーアップ、魅力アップを図られているという都市が福岡市でありますので、ぜひそのいいところは吸収して、人口も倍ぐらい違いますけれども、私はもともと福岡市に追いつけ追い越せと言っていたわけですから、そういうやり方は、もう前近代的かもしれませんけれども、やはりいいところは吸収して、連携すべきところは連携してという形を私はとっていくべきだと思います。
そういう中では、やはり先ほどちょっと触れられましたけれども、チームMICE育成講座等々、大事なことだろうなと思います。日本政府観光局のJNTOがアンバサダープログラム等を行われていますけれども、そういうものを参考にされている部分もあるんだろうなと、こういうのはぜひMICE施設をつくるどうこうを別にして、これはもう絶対熊本市、熊本県でやっていかなければいけないことですので、大いに進めていただきたい。
そういう中で、どうしても中心市街地活性化特別委員会でもそうなんですけれども、このMICE施設だけに議論が集中しているということはもちろん大事ですよ。一番優先順位は高いと思いますけれども、一方で私も危惧しているところです。特に桜町の再開発というのは、もともと県庁があってという中で、その後バスターミナルの機能をターミナル法の中でつくってという、それを見直すということも大きな課題なわけですから、そこに商業施設、ホテル等々という話も加わっているわけですから、全体の中の部分というのを詰めていかなければいけないと思うんですけれども、その部分の議論の比重というのがちょっとバランスを欠いているところも、私も非常に心配しているところですので、それはこちら側の問題としても、しっかり受けとめて議論を深めていきたい。また、市当局におかれましても、そのバランス感覚というのもしっかり保っていただきたいというところをお願いしたいと思います。
先ほど触れましたけれども、福岡市が先進的に行われております。今、熊本市として福岡市をどのように捉えているのか、そして、どのような連携も含めてお考えなのか、それをお聞きしたいですし、ただまねすればいいというわけではありませんので、熊本市にしかないもの、熊本市のオリジナリティというものも発揮していかなければいけないと思いますが、そこの細かい話にちょっとなりますけれども、その部分を
観光文化交流局長にお答え願いたいと存じます。
〔
西島徹郎観光文化交流局長 登壇〕
◎西島徹郎
観光文化交流局長 福岡市の状況、それから福岡市との連携、さらには熊本市の独自性という御質問にお答えさせていただきます。
福岡市の状況につきましては、先ほど議員から御紹介がありましたように、都市別の国際会議では4年連続全国2位、東京に次いでということになります。また、グローバルMICE戦略都市に認定されるなど、有数のMICE先進都市でございます。本市といたしましても、福岡のそういう持っていき方、誘致あたりも含めてですけれども、この辺は非常に参考にさせていただくものが多分にあるかと存じます。
それから、連携についてでございますけれども、現在も福岡の方でいろいろなコンベンション等ございましたときに、アフターコンベンションで九州の中で持っていくと、そういう話の部分で連携をとらせていただいているところでございますけれども、今後も可能な限り、可能な範囲で連携してまいりたいと存じます。
また、熊本市のやはり独自性、これは誘致する中で非常に大事なことだと思っております。商業、宿泊、交通機能が集積します熊本城に近接するという、この位置は全国どこにもないような地理的な優位性がございます。それから食、それからおもてなし、それから阿蘇、天草などのアフターコンベンションなど、本市の強み、それから独自性を発揮しながら、他都市との差別化を図り、MICE誘致につなげてまいりたいと存じます。
〔紫垣正仁委員 登壇〕
◆紫垣正仁 委員 今、お話にもありましたけれども、やはり4年連続で都市別国際会議で全国2位、実質的に1位ですよ、地方では。グローバルMICE戦略都市にも福岡市は認定されております。いい兄貴分、政令指定都市の部分でもそうですけれども、先進都市、MICEに対してもそうでありますので、こうべを低くしてとは申しませんけれども、謙虚に教えを請いながら、連携できるところはぜひ連携していくべきだと思います。
独自性の部分、オリジナリティは熊本市には、逆に言うと福岡市にないような世界に冠たる阿蘇があり、海でも日本一美しいと言われる天草がありということでもありますので、そこを売りにしていくのは当然のことだと思います。
それを受けた上で、中身を、外の部分で充実させていく。また、ハードの施設を今議論しているわけですけれども、いずれにしても、先ほど申しましたけれども大きな事業であります。熊本市政、恐らくこれから50年、100年先にもないかもしれないという大きな事業でございます。さきの市長が取りかかられたことでありますけれども、その流れを基本的には踏襲して推進していくというお考えのようですので、市長に対してちょっと確認しておきたい。
我が会派としましても、バンケット機能の話、催事、宴会等々も含めてできるように、やはりホテルはすべきではないか。MICE施設等との連携も含めてだと言っていいと思うんですが、先般のうちの団会議でも、やはり最低でもそこはきちんと確認、こちらから強く申し入れて、向こうがうんと言わない限りは前に進めるべきではないのではないかという意見も出ておりました。
なぜ私がこういうことを申し上げるかというと、最初にちょっと触れましたけれども、どうしても市が再開発事業者に気を使っているように見えてならないところがあるわけです。もちろん認可権者であるならば、もっと大きく、こうしなさい、こうしてもらわなければ困ると言っていいのではないかと思うんですけれども、そこもちょっと見えない。今回、大きな岐路に立っているところも、節目に立っているところはありますけれども、ぜひこのバンケット機能、象徴的な出来事だと思いますけれども、これに対して市長として答弁もちょっとされておりますけれども、やはりこれは認めてもらわないと市としても前に進めないというところを、再度私もお答えいただきたいんですけれども、市長にお願いいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 今お尋ねのありましたバンケット機能ということで、再開発事業の中には、当然ホテル、宿泊施設ですね。それから住居、商業施設、そういったものも入るわけで、それに(仮称)熊本城ホールというものも熊本市が参画するということになるわけでございますが、特に今議員御指摘のとおり、国際的なそういう会議でありますとか、学会でありますとか、そういったことを開催する場合には非常に、バンケット、いわゆる宴会であるとか懇親会であるとかが開ける機能というのは非常に重要なものだと考えております。ですから、当初、宿泊しか想定していないというVIP対応の宿泊はできるけれども、そういうバンケット機能は想定していないというお話も聞いておりましたので、私自身も、これは議会からも要望というものもいただいておりましたし、またそういうことも私自身が、これは必要性があるのではないかと考えておりましたので、再開発会社には強く、ぜひそういったバンケット機能を導入していただくように検討していただきたいということは、もう既に申し上げました。
先日の本会議の答弁でも、今検討しているということで回答を得ておりますので、今後そうしたことが実現するように、引き続き強く要望してまいりたいと考えております。
〔紫垣正仁委員 登壇〕
◆紫垣正仁 委員 私が、なぜこれをあえて坂田委員が尋ねた上で申し上げたかと申しますと、やはりその姿勢を保っていただきたいんです。対等でというのは基本かもしれませんけれども、やはりいいのはいい、おかしいのはおかしいというのをきちんと言っていただかないと、このバンケット機能に対しても、中心市街地の活性化特別委員会でも少し議論にはなっていたんですけれども、向こうの方がちょっとそれは無理だと思うということで、削げ落ちていった部分はありました。しかし、委員会であり、議員の中にも、やはりこれはないとおかしいだろうという話がずっとあったのも事実であります。今回、それを市長も改めてお感じになられて強く要望、お話しされたというのは、私は非常によろしかったのではないかと思っております。
結びにちょっとお聞きしたいところが、確認したいのを、これを最後にさせていただきたいんですが、この再開発事業、何度も申しますけれども熊本市政最大の事業に恐らく今後もなっていくであろうと思います。その中で、前の市長が取りかかられたとはいえ、もうこれができ上がるのは、もしでき上がるとするなら、恐らく現市長のときだと思います。そうなるならば、議会もそれなりの責任はあろうかと思いますけれども、全責任という部分が市長の肩にのしかかってくるのではないかと思います。その決意というものを、私から言うのもおこがましいかもしれませんけれども、本当に市長の政治活動、政治生活の中でも、これだけ大きい事業に携わるというのは、しかもトップとしてというのはなかなかないことだと思いますので、この事業に対する市長の決意、情熱を改めて結びに聞かせていただいてよろしいでしょうか。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 今お尋ねの決意、情熱ということでございますけれども、市民の皆さんに、やはり(仮称)熊本城ホールというものをしっかり活用していただいて、そして多くの皆様方が集う、そういう再開発事業にしていかなければならないと思っております。
ただ単に、これは施設をつくるあるいは再開発事業を行うというだけではなくて、やはり熊本市の将来を非常に左右する大きな再開発事業だと認識しているところでございます。私自身も先ほどから紫垣委員からも御指摘がございましたように、やはりその施設をつくることも市民の皆さんに納得していただくように進めていくということが大事であり、さらにその後、いかにほかの都市、世界各国からもそういったMICE自体を誘致していくという体制をいかに全市民を挙げてつくり上げるかということが非常に私は、そこが重要なことにこれからなってくると考えております。
今、先ほどから福岡市との比較も含めた御指摘もございましたけれども、先月、福岡市の高島市長とは、以前から旧知の仲でございましたので、2人で懇談させていただきました。その中でも、やはりお互いにそれぞれのいいところを持ち合いながら、アジアからのいろいろな誘致も含めてですけれども、連携してやっていきましょうということで、個人的にいろいろお話をさせていただいたところでございます。福岡市は福岡市なりのいろいろな持ち味があると思いますが、やはり熊本市は熊本市で、このまちの真ん中で、しかもバスターミナルを含めた非常に交通の利便性のよい、中心市街地で、しかも後ろにはお城が控えているというすばらしい立地の中での再開発計画でございますので、市民の皆様に大きな夢を持っていただけるように、そして次世代にしっかりつながるような前向きな再開発事業にしていきたいと考えておりますので、どうか、御理解を議会の皆様方にもいただきながら、そして審議の中で、そうしたこともぜひ十分議論していただければと考えております。
〔紫垣正仁委員 登壇〕
◆紫垣正仁 委員 熱い思い、情熱を少し感じさせていただけてよかったと思っているところもございますが、やはり巻き込む力、つくった後が大事というお話がありましたけれども、後巻き込むというよりも、やはりつくる前の段階からしっかりと市民の方々、ひいては県民を巻き込んでいくことが、私は肝要ではないかと思っております。そういう点でいうならば、少し足りていない部分もあろうかと思いますので、議会の方としてもそこはしっかり提案していって、もちろん周りを巻き込んで、我々もいかなければと思いますけれども、動きをさせていただきたいと思います。
次世代につながるというお言葉もございました。私も幸い娘を1年ちょっと前に授かりまして、それまでわかっていたつもりでしたけれども、やはりつながること、自分の子供や孫に対してちゃんと説明のできることをやっているかと、人間としても議員としてもというところをさらに強く思わされているきょうこのごろでございます。
今期におきましては、恐らく市長とこういう公の場で議論させていただくのは最後になろうかと思いますけれども、また新年度に新たにこの議論も含めまして、熊本市の明るい未来、子供たち、孫たち、次世代への責任という部分も含めて、しっかりとした議論をさせていただけることを強くお誓い申し上げまして、私の質疑をこれにて終了させていただきます。ありがとうございました。
○坂田誠二 委員長 紫垣正仁委員の質疑は終わりました。
以上で自民党の質疑は終わりました。
次に、くまもと未来、田中敦朗委員の質疑を行います。
会派持ち時間は55分となっております。
〔田中敦朗委員 登壇 拍手〕
◆田中敦朗 委員 くまもと未来の田中敦朗でございます。
本日は質疑の時間をいただきまして、先輩、同僚の議員の皆様に感謝申し上げます。
早速ですが、質疑に入らせていただきます。
平成27年度予算と今後の財政運営についてお伺いいたします。
大西市長が市長になられて約2カ月半がたちますが、予算の編成、日常の業務、現状の把握などに追われ、恐らく丸一日の休みもなく駆け抜けてこられたことと存じます。トップとして決断の連続であり、やらなくてはならないことが山積しており、これまでの幸山市政の流れを継承、そして検証しつつ、新たな大西市政の基盤づくりを行うのも、なかなか腰を据えてできていないのではないかと拝察いたします。
そんな中で、今回上程されました平成27年度当初予算、今回の編成に当たって十分本市の財政状況を把握されたことと存じます。市長にお伺いいたしますが、17年間の県議の経験から見る本市の現在の財政状況について、どのように考えておられるか。
また、率直な印象として、平成27年度当初予算について、どのように捉えられているのかお伺いいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 お尋ねの本市の財政環境につきましては、歳入面では市税や地方交付税などの一般財源の大幅な増加を見込むことが困難な中で、歳出面では社会保障関係経費の増大や臨時財政対策債の発行増による公債費の増大など、県とも共通する課題がございます。これに加え、合併、指定都市移行を果たした本市におきましては、新たな都市基盤整備が求められるなど独自の課題も有しており、いずれにしても厳しい状況にあるということに変わりはないと思っております。
そのような状況ではございますけれども、本市にとっては平成27年度は指定都市4年目を迎え、セカンドステージへと大きな飛躍に向けた動きを加速しなければならない年でありまして、新総合計画の策定など、本市の目指すまちづくりの方向性を明らかにして、将来を方向づける重要な年となると考えております。
今議会で提案させていただきました平成27年度の当初予算は、市長として編成する最初の本格的な予算となったわけでございますが、特に意を用いた項目は、やはり私が市長選挙において市民の皆様とお約束してきた、誰もが憧れる上質な生活都市くまもとの実現に向けた取り組みでございます。12月の就任後、限られた期間ではありましたものの、私の思いも可能な限り反映させた上で、セカンドステージに向けて市政運営を前進させる予算を編成できたのではないかと考えております。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 ありがとうございました。
市長おっしゃるとおり、本市を取り巻く財政状況、本当に厳しい中で中期・長期の財政の運営を考えていく、その中で27年度の当初予算、大西カラーがあちこちに見られる状態でございますが、皆さん御存じのとおり、今現在、この日本における一自治体として本市を取り巻く状況は、本当に楽観できるものではなく厳しい状況です。国の財政状況も債務が1,000兆円を超え、さまざまな行政の支援が必要な方々が多数存在するという状況、そして、今後少子高齢化による人口の減少などから予想しますと、20年以上厳しい財政状況が続くと予想されます。今ほどお伺いいたしました本市の厳しいこの財政状況を認識した上で、本市の発展を見据えて、今後どのような点に留意して財政運営を行っていかれるのか、市長のお考えをお伺いしたいと思います。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 本市は、初めに申し上げましたとおり、厳しい財政状況にある一方で、セカンドステージへの大きな飛躍をすべく、誰もが憧れる上質な生活都市くまもとの実現に向けた取り組みを加速しなければならないと考えております。特に九州新幹線の全線開業、それから政令指定都市への移行などを経て、今後、九州中央の交流拠点として、また県内の広域連携の核となる連携中枢都市として、その果たすべき役割はますます重要になると考えております。
一方で、本格的な人口減少社会の到来や少子高齢化の進展、高度化、多様化する行政ニーズへの対応、都市インフラや公共施設の大量更新など、多額の財政需要が見込まれ、行財政運営の大きな転換期にあると言えると思います。
こうした中、私は地域主義を市政運営の柱の一つとして積極的に地域に入り込み、市民の皆様との対話の中で何をなすべきかをともに考え、地域の特性に応じたまちづくりや課題解決に取り組み、行政との信頼関係の構築を目指してまいりたいと考えております。
その際、今後の財政運営のあり方として、将来世代の負担と受益のバランスを勘案し、財政規律を遵守するとともに、市民サービスや福祉の向上、地域経済の活性化につながる事業など、本市の発展に必要な事業に対しては積極的に投資をしていかなければならないと考えております。
こうした考え方を踏まえまして、今般、今後の財政運営の指針として、平成27年度当初予算をベースに、今後5年間の財政見通しを試算したところでございます。その結果、平成27年度から平成31年度までの5年間、トータルではプラス3億円の黒字と一定の収支が確保できるものと見込んでおります。ただし、平成28年度及び平成30年度については一時的にマイナス収支となる見込みでございまして、今後の予算編成等において事業の年度間調整でありますとか、行財政改革などにより解消を図っていくことが肝要であると考えております。
このため、歳入面では、新たな税財源の確保のほか、民間の知恵や活力、能力を活用した自主財源確保の仕組みづくりなども積極的に取り組んでまいりたいと考えております。また、歳出面では、既存の事業について、事業目的の達成状況や費用対効果などを検証しながら、その優先順位を見きわめつつ、これまで以上に事業の選択と集中を進めることで、歳入歳出両面で必要な財源を生み出しながら、優先度の高い施策から段階的に取り組んでまいりたいと考えております。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 今回、130項目のマニフェストを掲げ当選されました大西市長に、現状認識と今後の財政運営をお伺いいたしました。中期の見通しもしっかり把握しておられ、プラス3億円の黒字というところで、その中でもしっかりとした投資を行いながら事業の見直しもされていかれるというところで、今後の財政運営の方向性についても、まずしっかりとした把握をされておられるということが認識できました。
その中で、今回の当初予算を改めて拝見させていただきますと、本市の大きな課題の一つであります人口減少社会への取り組みとして交流人口の増加、少子化対策、定住促進という3つの取り組みを強化することとしているという点においてはある程度対応できているように見受けられますが、一方でこの130のマニフェスト関連事業などについては、市長のカラーがいまだ十分出ていない部分が散見されます。そうした当初予算で盛り込めなかった事業について、今後、補正予算も含めてどのようなスケジュール感で取り組んでいこうと考えているのか、市長のお考えをお伺いいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 私のマニフェストに掲げました130項目にわたる政策のうち、緊急性が高いあるいは早期の実現が可能な事項については、できる限り当初予算に盛り込んだところでございます。具体的には、例えば新総合計画の策定経費でありますとか、地方創生に向けたまち・ひと・しごと総合戦略の策定、市電の路線延伸の検討、中学校の普通教室への空調設備の設置、江津湖での花火大会の開催などが目玉として挙げられるところでございます。
一方で、例えば子ども医療費の対象年齢拡大でありますとか、がん検診の無料化などのように、持続可能な制度設計が必要であることなどから、当初予算に反映できなかったものもございます。これにつきましては、今後、市の施策としてどのように実現していくかを十分精査いたしまして、新年度、新総合計画の策定を進める中で、具体的に検討していきたいと考えておりまして、基本的には平成28年度当初予算以降、順次盛り込んでまいりたいと考えております。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 ありがとうございます。
市長の本市財政に対する認識、今後の財政運営の方針、マニフェスト達成のためのスケジュールなどをお伺いすることができ、大変満足しております。今後、市執行部が上程する予算、議案に関しては、今回の答弁を参考に議論を深めさせていただきたいと思います。
マニフェストに掲げられているからといって、何でもかんでもすぐにできると、すぐに取り組まなくてはならないということはないと私自身考えておりまして、財政を考えながら市民のためになるような形で事業を実現させていく、これこそが市役所の執行部としての役割であると考えておりますし、それがもっといい形でできるのではないか、そして個々に問題があるのではないかチェックしていくのが、我々議会の役割であると考えております。
市民との公約としてマニフェストを掲げられた大西市長としては、マニフェストの達成というのは至上命題だと考えております。何が何でも達成するという強い意志と行動を、今後の編成に対して行っていかれると思われますが、市長、厳しい財政状況、そしてその中で財政規律を守りながらやっていくとおっしゃられました。130、膨大な数のマニフェストを掲げられている中で、選択と集中を行えば、中には着手ということもございましたし、達成と掲げられているものもございました。万が一でございますけれども、着手も達成もできないということも、財政が激変すればあると思います。それに関しては、やはりみずからがさまざまな市民の方からお伺いされて、市民のためになるということで掲げられたマニフェストでございます。優先順位をしっかりと提示して、できなかったものに関しては、どういう対処をしていくという説明責任を果たしていかれれば市民の皆さんも十理解していただけると思いますので、市役所執行部一丸となってマニフェスト達成のために、今後尽力していただければと考えております。
それでは、続きまして児童育成クラブについてお伺いいたします。
市長は、マニフェストの中で児童育成クラブの拡充に触れておられ、今回の予算にも迅速に反映されており、今後の充実に大変期待しております。
さて、この児童育成クラブですが、小学校に通う児童が放課後に昼間保護者が家庭にいない場合に通う場所であり、社会福祉事業として実施されています。担当課は青少年育成課で、健康福祉子ども局が所管しております。そして、言うまでもありませんが、小学校の所管は教育委員会です。児童育成クラブと小学校、同じ児童が通う場所であるにもかかわらず、その担当する所管が異なることは、その運営に縦割りの壁が立ちはだかることであり、決してよいことではないと感じております。実際に、児童育成クラブと青少年育成課の連携、学校と児童育成クラブの連携、青少年育成課と教育委員会の連携がうまくとれていないがために、児童育成クラブを利用する児童や現場の指導員たちが困ってしまうことが実際にあったということが私のもとに届いております。児童育成クラブのスムーズな運営のためには、縦割りの壁を取り払う必要があるのではないでしょうか。
そこでお伺いいたします。児童育成クラブの事業運営は、なぜ健康福祉子ども局が行うのでしょうか。その特段の理由はあるのでしょうか、お答えください。特段の理由がなければ、所管と予算を変更し、教育委員会が担うべきではないでしょうか。市長にお伺いします。
また、児童育成クラブの指導員について、熊本市の要綱によって、その採用については雇用期間が最長10年となっております。指導員に関しては、地域密着の人材が必要であり、校区のことをある程度理解していなければならないと考えます。雇用期間が10年を超えた場合でも、地域に密着した方が見つからない場合、10年を超えてもできる限り長く働いてもらうようにすべきではないでしょうか。児童育成クラブにかかわる予算の有効な活用のために、人事に関してもこれまでの要綱での対応を変え、地域地域に合った指導員の配置とバランスをとった方がよいと考えますが、いかがでしょうか。こちらも市長にお伺いいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 児童育成クラブにつきましては、昭和42年度に当時の文部省の鍵っ子対策事業としてスタートしたものでございまして、昭和52年度に厚生省の所管となり、その後、児童を取り巻くさまざまな環境の変化から、平成10年4月に児童福祉法の放課後児童健全育成事業として位置づけられております。
本市におきましては、地域で子供を育むという視点から、平成11年4月に児童育成クラブを含む青少年育成部門を教育委員会から市長事務部局へ移管し、現在は健康福祉子ども局の所管となっております。ほとんどのクラブが学校敷地内にございまして、また当該学校の児童が対象であるということから、学校との連携はもとより、教育委員会とも連携いたしまして、また、地域のボランティア等の協力も得ながら運営に当たっているところでございます。
こうした中、昨年7月には、国において児童育成クラブと教育委員会が行う放課後子ども教室の一体的な実施などを柱とした放課後子ども総合プランが策定されたところでございまして、今後は同プランに基づき責任体制を明確化するとともに、市長事務部局と教育委員会で運営委員会を設置し、さらに連携を強化して放課後児童対策事業を進めるとともに、今後の組織体制のあり方につきましても研究してまいりたいと考えております。
児童育成クラブの指導員についてのお尋ねでございますが、現在、公設の児童育成クラブ指導員については、地域とのかかわりの中で児童を育てる観点から、できるだけ近隣の人材を雇用しているところでございます。その雇用に当たっては、多くの求職者の皆様に雇用機会を均等に提供するため、また定期的な職員の入れかえにより組織の活性化のほか、身分の固定化や業務の停滞を避けるため、雇用期間に一定の上限を設けて運用しているところでございます。
一方で、業務の円滑な運営のため、人材が確保できない場合は、画一的な取り扱いではなく例外的措置も必要になるものも考えておりまして、雇用期間を延長するなど、実情に応じて、今後柔軟に対応してまいりたいと考えております。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 御答弁ありがとうございました。
やはり縦割りの壁というのは本当に厚く、本当に指導員の方々から青少年育成課の方にお願いして、答えが返ってくるまでに時間がかかってしまうといったことでありますとか、指導員の方が学校に話をした場合でも、やはり真摯に受けとめていただけないということがあったといういろいろな事例がございます。市長の御答弁で、今後の組織体制のあり方についても研究していただくということです。やはり、私は一体的な運営ができるように、ぜひとも教育委員会が運営していくという方向にかじを切っていただければと思います。
それと同時に、指導員に関しましても、場合によっては柔軟な対応をしていきたいという御答弁をいただきました。実際に、その地域におられる方がいた方がいいということは、1年生とか迷子になってしまうことがあるんですね。地域の方から連絡があったときに迅速に対応することが、やはり地域の方でないとできないということもございますし、実際、なかなか応募がないと、時間も短く午後に始まり、しかも本当に1年生から今3年生、大変な世代の子供を見なくてはいけないというところで、大変な仕事が指導員にございます。これに対する応募が地域によってはないところもあるという中で、次年度に備えて、10年を過ぎたとしても、あと1年また勤めていただくという対応が私は必要であると思いますので、ぜひ現場の対応を見ながら、青少年育成課、健康福祉子ども局においては、対応していっていただきたいと思います。
今期も児童育成クラブについては拡充整備のための予算がございますけれども、実際のところ、熊本市が条例で設定している1児童当たりの面積、これを達成していない施設が10カ所以上ございます。その中で、やはり限られた財源の中で、その10カ所をいかに整備していくかということは大変重要なことでありますけれども、今現在の基準を達成していたとしても、雨が降った場合、本当に芋洗いのような状態で子供たちが過ごしているという状況が存在しているということも、ぜひ市長を初め執行部の皆さんは認識していただきたいと思います。
それでは、続きまして農作物鳥獣被害対策についてお伺いいたします。
今回、平成27年度当初予算要求状況一覧表を拝見させていただきますと、農水商工局の担当課の要求額が989万4,000円に対し、B査定となっており670万円になっており、農水商工局の予算要求が減額になっております。減額になっているということは、現在この農作物の鳥獣の被害に関しては、被害は減少していっているから減額になっているのでしょうか。農作物鳥獣被害の現状と本事業の成果について、
農水商工局長にお伺いいたします。
〔
多野春光農水商工局長 登壇〕
◎多野春光
農水商工局長 有害鳥獣による農作物被害の現状と成果についてお答えいたします。
有害鳥獣による農作物被害額は、平成23年度の9,265万円をピークに、平成24年度は8,892万円、平成25年度は8,152万円と年々減少しているものの、依然として深刻な状況が続いております。このようなことから、本市におきましては捕獲対策として、猟友会への支援を初め、わな猟免許の取得補助などを行っているほか、27年度におきましては捕獲実施者の安全確保対策として、無線機導入に対する補助も予算化したところでございます。
また、農業わくわく化事業におきましても、国の事業では対象とならない取り組みにつきまして対応できるようメニューを拡充することといたしております。さらには、被害が大きいイノシシ対策につきましては、熊本市農畜産物有害鳥獣対策協議会におきまして、国の補助事業を活用し、農作物を守る電気柵等の導入や捕獲数に応じた補助金を交付する取り組みも行っているところでございまして、捕獲頭数も年々増加するなど成果も上がってきたところでございます。
加えまして、鳥獣対策は広域的な連携が効果的でございますことから、現在、本市を初め国や県、周辺の自治体による金峰山地域の鳥獣被害防止に向けた連絡会議の設立も協議しているところでございます。
今後とも、関係機関及び地域の農家の皆さんと連携した被害防止対策に力を入れてまいります。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 御答弁ありがとうございました。被害額が減っている、そして頭数がふえているということで、成果も上がっているということでございますが、平成25年度で8,152万円という大きな額の被害額がいまだ出ているという状況であります。さまざまな取り組みを農水商工局として取り組んでいただいているということ、また私、この関連の質問は3回目ぐらいになるんですけれども、国に対しても積極的に働きかけてくれというお願いをいたしましたところ、国、県、周辺の自治体における鳥獣被害防止に向けた連絡会議の設立を協議していただいているということで、地域の農家の皆さん、熊本市は真剣に考えて動いてくれているんだということを実感されているのではないかと感じております。
実際に収穫を控えた、大事に大事に育てた農作物が収穫の寸前に鳥獣被害に遭ってしまうと、実際の収入を見込んでいたものが減ってしまうということに遭われた農家の皆さんのお話を聞くと、本当に身につまされる、せつない気持ちになってしまうものでありますけれども、今回お伺いいたしましたとおり、被害額は減っているとはいえ、いまだに8,000万円の被害がある鳥獣被害の対策を減額査定したということについては、どのような考えのもとで行われたのか。
また、被害額を抑えるためにも、それ相応の予算の確保を行う必要があると考えますが、今後の予算査定の上で、鳥獣被害対策への対応をどのように考え実行していくのか、財政局長にお伺いいたします。
〔
木下修一財政局長 登壇〕
◎木下修一 財政局長 予算措置の状況についてお答えいたします。
農作物鳥獣被害対策事業につきましては、平成27年度当初要求において、銃器による鳥獣駆除に対する支援などの既定経費のほか、鳥獣駆除に伴う発信機及び受信機の補助、箱わなによるイノシシ捕獲業務委託に係る経費の新規要求がなされたところでございます。
本事業の予算措置に当たりましては、有害鳥獣による近年の被害状況や捕獲実績なども踏まえました検討を行いました。銃器による鳥獣駆除に対する支援などの既定経費につきましては、例年並みの規模の予算措置を行いました。
また、新規要求のうち鳥獣駆除に伴う発信機及び受信機の補助につきましては、電波法改正の対応や安全かつ効果的な駆除を行うために必要と判断し、要求どおり予算措置を行いました。
一方、箱わなによるイノシシ捕獲業務委託につきましては、既存の銃器による駆除に対する支援と比較した場合の費用対効果などについて検証が必要と判断し、平成27年度は予算措置を見送ったものでございます。事業全体としては、前年度比140万円増の670万円に拡充したところでございます。
なお、各区の特性を生かした公募型補助でございます農業わくわく化事業につきまして、前年度の2,500万円から3,000万円に拡充いたしましたが、当該事業の補助メニューとしてイノシシ等の捕獲用わなの購入など鳥獣被害対策に係る経費への補助も含まれており、当該事業もあわせますと鳥獣被害対策としては一定の充実が図られたものと考えております。
鳥獣被害対策については、本市の農産物の生産及び収益の安定確保にとって重要な取り組みと認識しており、今後とも被害の状況を踏まえ、対策の効果等を見きわめた上で、被害防止につながるよう適正な予算措置を行ってまいります。
○田尻将博 副委員長 間もなく正午となりますが、総括質疑を続行いたします。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 御答弁ありがとうございました。全体的には拡充しているということ、そして前年度比をしますと140万円ふやしているということですね。財政局としても一定の理解をしていただいて、予算の確保をしていただいているということは理解できました。
ただ、その中に箱わなによるイノシシ捕獲業務の業務委託については、既存の駆除に対する支援と比較した場合の費用対効果などについての検証が必要と判断されて減額したということでございます。私自身、どういった形の駆除がいいのかというのは、専門家ではございませんので検証はできませんが、8,000万円の被害をいまだに受け続けているという中で、やはり一定の選択と集中の中で、ここは集中して、その被害額を減らすべく財政的な措置をしてもよかったのではないかと私自身は感じております。それが本当に熊本市全体として効果があるのかないのかという判断のもと、財政局として判断されているのだと思いますが、ぜひとも適切な措置を今後お願いしたいと思います。
また、この鳥獣被害の対策については、いろいろな展開も考えられると思います。命を奪うと、人間の生活のためにイノシシの命を奪うというところで批判される方もおられますが、やはり農家の方々の生活をしっかり守っていかなくてはいけないというところで、イノシシや鳥などの駆除を行っていく中で、我々日本人として命をいただく、命を大事にするという歴史、伝統、文化を持つ人間として、そういった奪った命を自家焼却しているという方もおられますけれども、例えば埋却するのではなくさまざまな形で生産加工を行い、命の循環をしっかりしていくという取り組みも農水商工局でもぜひ考えていただき取り組んでいただくことで、狩猟をやる方々のモチベーションアップと新たな熊本市の魅力ということにもつながっていくのではないかと考えますので、そういったような形で、また財政局としっかりやり合っていただいて、予算の確保を図っていただければと思います。
それでは、続きまして、MICEの誘致についてお伺いいたします。
MICEの誘致ということで、コンベンション協会への助成を熊本市は行っております。シティプロモーション課で4,760万円、観光振興課で6,850万円の助成が27年度当初予算でなされておりますが、私はこの金額では、これからの交流人口を増大させるというもくろみの中では、コンベンション協会が弱い体制しか構築できないのではないかと心配しております。実際に、ほかの自治体の支援メニューを見てみますと、助成金の額はもちろん、さまざまなソフト的な支援を打ち出されており、明らかに本市がコンベンション協会を通じて行っているものよりも充実した内容もあり、主催者が日本各地での開催を考えたときや、誘致の検討を始めた時点で差をつけられる一つの要因となっているように考えます。例を挙げるとすれば、横浜市においては国際会議の支援メニューに、沖縄においてはMICEの支援と海外への発信に大きく差を付けられていると感じます。
逆に本市の助成制度がすぐれている部分も当然ございまして、30名規模のコンベンションから助成金などの支援を行うという点は大きく評価できますし、熊本市とコンベンション協会のやる気を感じる次第であります。
MICE支援に関しましては、コンベンション協会の助成だけではなくさまざまな事業で展開しておりますので、一概に比較はできないと理解はしていますが、コンベンション協会の体制充実と支援メニューの拡充は喫緊の課題だと考えますが、今後コンベンション協会への助成について増額させていく考えはないか、
観光文化交流局長にお伺いいたします。
〔
西島徹郎観光文化交流局長 登壇〕
◎西島徹郎
観光文化交流局長 MICE誘致支援の取り組みついてお答えいたします。
本市は、これまで一般財団法人熊本国際観光コンベンション協会を通じまして、コンベンション等の開催支援を行ってきているところでございます。コンベンション協会におきましては、従来の開催助成や誘致助成等の支援メニューに加えまして、平成25年度には国内外からのインセンティブ・トラベル誘致促進のための助成金を新たに設けたところでございます。また、今年度はコンベンションの開催助成金の増額を行い、約30件の伸びを見込んでいるところでございます。
今後、(仮称)熊本城ホールを整備することによりまして、これまで誘致が困難であった大規模学会なども誘致する対象が広がり、国内主要都市とも競合することも多くなることを考えております。
そこで、本市といたしましても、コンベンション協会との連携を強化しながら、主催者、参加者のニーズを踏まえ、助成支援をさらに充実させてまいりたいと考えております。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 交流人口増加を目指す本市として強化していく、助成支援を充実させていくという考えを局長みずから力強くおっしゃっていただきました。実際に、このMICEの誘致、一朝一夕でできるものではございませんし、先ほどからるるお話があっていますとおり、熊本市単独でできるものでもありません。やはりこれはもう全熊本市、熊本県も巻き込んでやっていくべき問題であり、覚悟を持って臨まなくてはならないと思っています。
冒頭に申し上げましたけれども、人口が減っていけば必ず経済の規模は縮小していきます。では、人口を減らさないために、今、熊本市は何ができるのかというのを考えたときに、熊本市が一つ大きく打ち上げたのがMICEの誘致であります。このMICEの誘致を行い、交流人口をふやしていき、雇用の確保を行っていくという方向性を見たときに、これをつくって何になるとか、これをつくっても意味がないとかいうようなことを言うのではなく、今、一生懸命熊本市の執行部が考えつくろうとしている熊本城ホールについて、もっといいものをつくる、そしてつくり上げたときには、できるかできないかではなくて、やるかやらないか、あの数値を必ず達成させるんだと、熊本市、そして議会も一緒になって、そして市民団体も大学も、全ての分野の方々を巻き込んで達成させていく。そうすることで初めて、私は70万人の人口を維持できると思います。誰かがするぞとか、市役所がするぞとか言っていても絶対できないと私は思います。私自身もさまざまなつながりをつくっていきながら、国際的なさまざまなコンベンションであるとか、セミナーであるとかいうものを、これからも熊本市に引っ張っていこうと思います。ぜひ協力してもっともっと支援の充実、そしてさまざまな会議を行う人が最初に熊本市を選んでいただくような、そういう魅力のある地域をつくっていかなくてはならないなと感じます。
続きまして、桜町・花畑地域の整備についてお伺いいたします。
桜町・花畑地域の整備について、広場、花畑公園、シンボルプロムナード、熊本城ホールがそれぞれの予算で整備されていきますが、まずはそれがどのような方針で整備していくのかを、いま一度こちらでお伺いしたいと思います。
これにつきましては、私は幸山市長の時代からまちづくりのデザインについて、城下町一帯を中心市街地の皆さんを巻き込み、補助金などを創設し、何年かけてでも和の世界に統一させていってはどうかという提案に基づいての質疑でございます。京都や奈良の古都、長崎や横浜の中華街、屋久島や知床半島の大自然、人はそこにしかないものを求めて集まってきます。
翻って、熊本市には何があるでしょうか。日本三大名城と言われるすばらしい熊本城があります。中心市街地においては、人を魅了するさまざまな催しが行われます。水前寺公園がございます。しかし、日常的に人を魅了してやまない地域、散策して非日常の体験ができる、歴史伝統文化に触れられるエリアが熊本市には足りていないのではないでしょうか。今回、中心市街地が大きく変わろうとしている中で、市が大きく関与する今回の各種整備に関しては、徹底的に和を取り込み、近現代のデザインの中に和を生かし、日本人の感性とセンスを生かした誰もが憧れる空間づくりを行うことが重要だと考えます。
桜町・花畑地域整備について、現在の熊本市の考えと今後の整備方針を都市建設局長にお伺いいたします。
〔永山國博都市建設局長 登壇〕
◎永山國博 都市建設局長 桜町・花畑地区の整備についてお答えいたします。
桜町・花畑地区におきましては、地権者及び学識経験者や関係機関から成る検討委員会を平成23年9月に設置いたしまして、熊本城と庭続きまちの大広間をコンセプトに、当地区の歴史性を尊重し、和を基調とした空間とする基本構想を策定いたしました。さらに、平成26年度には、桜町・花畑地区一帯を対象として、空間、景観、デザインと利活用、運営管理についての方針等を定めた基本計画を策定いたしました。それにより、市としてはこれまでも隣接の地権者の方で行われたNTT熊本支店の敷地に昨年末にオープンしたカフェやNHK新熊本放送会館の設計において、基本計画の考えに沿った空間景観デザインの調整などを実施したところでございます。
今後は、(仮称)熊本城ホールも含めた桜町再開発ビルの設計において、施設の空間構成やオープンスペースとの一体性について、コンセプトにふさわしい統一感のある施設となるようデザイン調整を図ってまいります。また、シンボルプロムナードや花畑及び辛島の2つの公園、(仮称)花畑広場などのオープンスペースについても、にぎわいの中に和を基調とした上質な空間となるよう、来年度、整備計画を策定いたします。さらに、整備計画の策定や将来的に持続可能なまちづくりを実現するためのエリアマネジメント構想構築に向け、市民の皆様方の御意見を伺いながら、まちづくりマネジメント検討委員会において検討を行ってまいります。
このように桜町・花畑地区を一体的に捉えた取り組みにより、当地区が九州中央の交流拠点都市熊本の顔となるよう進めてまいりたいと考えているところでございます。
〔田中敦朗委員 登壇〕
◆田中敦朗 委員 桜町・花畑地域の整備についてお伺いいたしました。
あの一帯が和の空間として今後整備されていくということで、熊本市としても大々的にこれはもう広めておられるということで、私も存じ上げておりましたが、やはり改めて、あの地域がどのように変わっていくのか、そういう期待を市民全体に広げていっていただきたいなと思う次第であります。あの地域が和の空気で熊本城と一体化することで、本当に魅力的な地域になると思いますし、それをさらに市街地までつなげていくことで、そういう回遊性というものが生まれてくるのではないかなと思います。今の市街地と熊本城、一体感があるかというと、やはり片や近現代的な建物、そして熊本城は古くから400年以上の歴史を持つ城郭という中で、一体性がないために隔絶が起こっているのではないかと、私は以前から考えている次第であります。
また、広場のこともおっしゃられましたけれども、広場の活用、ぜひ取り組んでいただきたいと考えておりまして、毎週何かがあっているというところで、あそこに行けば何かイベントがあっているというところまで、市民の方々を巻き込んだ検討委員会でも何でも立ち上げていただいて、積極的に広場を活用していただいて、あそこのにぎわいをつくることで、やはりそれもまた回遊性につながっていくと考えております。本当に大変な整備でございますけれども、しっかり私自身もチェックしながら提案していきたいと考えております。
本日用意いたしました質疑は以上で終了いたしますが、平成27年度の当初予算、熊本市民の未来を左右する大事な予算であります。4月の決戦をここにおられる立候補予定の皆さんと乗り越えて、市民のためになるような議論をこれからも深めてまいりたいと考えております。
本日はまことにありがとうございました。
○坂田誠二 委員長 以上でくまもと未来の質疑は終わりました。
総括質疑の途中ではありますが、この際、議事の都合により休憩します。
午後1時半に再開いたします。
午後 0時11分 休憩
───────────
午後 1時30分 再開
○坂田誠二 委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
総括質疑を続行します。
これより市民連合の質疑を行います。
会派持ち時間は50分となっております。
まず、福永洋一委員の質疑を行います。
〔福永洋一委員 登壇 拍手〕
◆福永洋一 委員 今回4つの質問をさせていただきます。市長の答弁はありません。いずれ市長と議論するための前振りということで、市長もしっかり話を聞いていていただければと思います。
ちなみに、私が30分、東すみよ議員が20分ということできっちり使っていきたいと思っています。
いきなり1点目に入りますが、私の質問は当初予算案の概要版の予算の中身から4点について質問させていただきます。
1点目、この6ページに書いてあります県の支出金、新年度予算として緊急雇用創出事業費補助として1億2,900万円の予算が計上されています。国からの雇用対策事業について、この数年来、熊本市としてこれまでの取り組みをきちんと総括した上で、今後の安定的な雇用創出のための取り組みを行わなければいけないという立場で質問したいと思っています。
まず1点目、雇用創出のこれまでの取り組みの実績についてどれだけの予算を投じて、事業をどれだけ行って、どれだけの雇用創出の人数が生まれてきたのか。その人数のうち、安定的な継続雇用に結びついた人たちの数はどれほどいらっしゃるのかというのが1点目です。そして、この間の取り組みの実績に対する認識は成果があったと思われているのか、なかったという評価なのかお聞きしたいと思っています。
2点目は、安定的な雇用創出のための方策として、今後市としてどのように取り組んでいかれるのかということについて。
2点、
農水商工局長の答弁をよろしくお願いします。
〔
多野春光農水商工局長 登壇〕
◎多野春光
農水商工局長 それでは、緊急雇用創出事業につきましてこれまでの取り組み実績、それから安定的な雇用創出のための方策についてお答えいたします。
国の緊急雇用創出事業は、リーマン・ショックに端を発し景気が低迷した平成20年から開始されたもので、離職されました失業者の雇用の受け皿を創出するものでございます。
本市では、平成21年度からこの事業を活用してきたところでございまして、平成25年度までに442事業、決算額約30億円、約3,000人の雇用を創出してきたところでございます。このうち失業の次の雇用までのいわゆるつなぎ雇用を主な目的とする事業では約2,500人の雇用を、継続的な雇用に結びつける目的の事業では約500人の雇用を創出してまいりました。また、事業終了後の継続雇用者数は286人となるなど、雇用の維持、創出に当たっては一定の効果を上げてきたものと考えており、新年度におきましても平成26年度からの継続分として予算を計上しているところでございます。
この緊急雇用創出事業につきましては、国では現行の制度をもって終了する考えでございますが、本市におきましては、今後も安定的な雇用を創出していくためには何よりも地域経済の活性化が重要であると考えておりまして、地方創生に向けた国の新たな交付金などを最大限に活用しながら地場企業の振興や創業の支援、さらには企業誘致などに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
〔福永洋一委員 登壇〕
◆福永洋一 委員 これまでの実績として、平成25年度までに442事業、約30億円、約3,000人の雇用が生まれたということで、1人平均100万円の予算を投じての結果だと思っていますけれども、一定の効果を上げてきたという表現でしたけれども、継続の雇用に結びついた数は286人、それ以外の2,700人以上の方はつなぎ雇用ということで短期間の雇用であります。雇用対策として本当に効果があったのか、私自身は疑問を感じているところです。
雇用創出は、経済の発展に寄与するだけでなく少子化対策としても重要な施策です。安定した雇用が生まれない限り、少子化には歯どめがかからないということで、要望を2点言っておきます。
1点目が、全国レベルで雇用対策が行われてきましたけれども、熊本市としての今回の30億円の予算で286人の継続雇用者数の創出というのは、数的にほかの自治体に比べて高いのか、低いのか。そして、継続雇用となった286人の方たちの賃金等を含めてですけれども、生活できる一定の水準となっているのかというところ、そして、つなぎ雇用で終わってしまった方たち2,700人のその後の状況等もきちんと把握し、精査するべきではないかと思っています。
2点目ですが、今後国の地方創生に向けた新たな交付金を活用して雇用創出に取り組まれるのであれば、つなぎ雇用対策ではなくて安定的な雇用創出のための具体的な方策に向けて知恵を出し取り組んでいただきたいと思います。
もっとやりとりしたいんですけれども時間が限られていますので、大きな2番目の質問に移りたいと思っています。
先ほどの予算書の12ページの6番目に産業政策課、U・I・Jターン就職促進経費ということで1,230万円が計上されてあります。前年度は400万円ということで3倍以上の予算が組まれています。今後の取り組みに大いに期待したいということで、質問を3点させていただきます。
1点目、今後の具体的な実施内容について。
2点目は、これまで実施されてきたその成果、取り組みの内容、就職した就労先や人数等についてわかれば数字を教えてください。
3点目は、就職者に対して市としての補助メニュー、何かしらの支援策のメニューがあるかというところです。私たちが食堂に入るとき、外食するときにいろいろなメニュー表があるように、いろいろなお店を選ぶ、メニューも含めてですけれども、選ばれる都市とするためには単に雇用先の紹介だけでなくて、熊本市に引っ越したり、帰ってくる人に対して魅力ある支援のメニューが必要だと思っています。熊本市にはそのメニューがあるのでしょうか。あったら教えてください。
以上、3点です。
農水商工局長に答弁をお願いします。
〔
多野春光農水商工局長 登壇〕
◎多野春光
農水商工局長 それでは、U・I・Jターン就職促進経費につきまして、実施内容と実績、それから移住就職者への支援メニュー等々についてお答えいたします。
この事業は、近年多くの若者が進学や就職で県外へ流出している状況にありますことから、地場企業が優秀な人材を確保できるよう、今年度から取り組んでいるもので、東京、福岡での就職面談会の開催等を実施しております。
お尋ねの本年度の実績についてでございますが、昨年12月の東京における就職面談会では18社、24名の参加が、また、本年1月の福岡での面談会には34社、26名の参加があったところでございますが、就職決定者につきましては、事業実施後間もないことから、現時点では把握するまでには至っておりません。
次に、新年度のいわゆる取り組みについてでございますが、国の
地方創生先行型交付金を活用し、継続して東京、福岡での就職面談会を開催するほか、サポートデスクを設置しまして、県内外からのU・I・Jターンに関する問い合わせ対応や、国において設置されます全国移住促進センターなどとの連携、求人企業の開拓、就職面談会参加者や就職者のフォローアップ等に取り組ませていただきたいと考えております。
次に、U・I・Jターン就職者への支援につきましては、現在本市も出捐しております熊本県雇用環境整備協会におきまして、就職者に対する赴任旅費等の補助を行っておりますが、本市におきましても新年度からは、U・I・Jターン者がいわゆる市内で創業される方には、制度融資利用の際の信用保証料の全額補給を行うこととしております。
いずれにいたしましても、U・I・Jターンを促進する上で就職者への支援は重要でございますことから、今後もサポートデスクに寄せられますさまざまな御意見や御要望、また他都市の状況も踏まえながら効果的な支援策を検討してまいりたいと考えております。
〔福永洋一委員 登壇〕
◆福永洋一 委員 これまでの実績については、本年度からの取り組みということもあり、面談会の実績報告はありましたけれども、就職決定者については現時点では把握できていないということで、いずれそのいい結果が出たらまた御報告願いたいと思います。
働く場所が熊本市にあったとしても、熊本で働いて暮らすためには、熊本にどんな魅力があるのかというメニューが必要だと思っています。水がうまい阿蘇、天草と自然が豊かです、食べ物がおいしい、くまモンがおりますよとか、答弁で言われた赴任旅費の補助、創業者への制度融資だけでは僕は人は来ないと思っています。
いつかNHKで空き家列島日本という放送がありました。皆さん方の中にもごらんになられた方があると思いますが、全国レベルでどんどん空き家がふえています。空き家が30%台になったらやばいだろうという話があっています。もう自治体は崩壊するということで、各自治体が定住促進なり、人を呼び込む施策でいろいろな計画を立てていますが、その計画でその数字を全部、日本全国の自治体の数字を足せば人口は倍になるそうです。そんなことあり得ません。
ということで、熊本は空き家率が現在17%台です。34万世帯で、6万世帯以上はあるだろうということで、10件のうち2件程度は空き家ですし、その近隣にはひとり暮らしの高齢者が多く住まわれています。
そういうことで、空き家対策なども必要だと思っているんですけれども、きょう資料を配らせていただきました。もうごらんになってわかるように、熊本市が一番、市町村別支援施策早見表、熊本市が、シティプロモーション課が回答した中身ですので、黒ぽつが5つしかないんですけれども、空き家紹介もされているので6つぐらいにはなるのかなと思っていますが、近隣の市町村をごらんになってわかりますように、天草市とか阿蘇市とか、近隣では玉名市が9つの支援メニュー、玉東町も、10の支援メニューをつくっています。
そういった意味では、熊本市のメニュー自体が非常に少ないのではないかなというのはもう一目瞭然だと思っています。いや、こういうこともやっていますということがあれば、黒ぽつがもっとふえるのかなと思っていますけれども、今後医療費の助成の拡充、市長のマニフェストにも書いてあったんですけれども、固定資産税減免のマニフェストもありまして、そういった施策も必要ではないかなと思っています。
大西市長は御存じありませんけれども、幸山市長のときに何回も発言している一つの私の提言があります。その一つは、空き家の有効活用策です。お金をかけずにできる施策ということで、空き家を子育て世代に提供するということで、一定期間、5年なら5年、不動産と行政がきちんと契約して本人も入れて一定期間安く貸し出す制度づくりができないかという話をずっとしています。
ところが、窓口、担当課がまだ決まっていないということで、この前やっと企画課がその担当に当たるんだということで動き出しているんですけれども、まだこれに対する具体的な動きが見えていません。
ちなみに県は今年度、新年度の予算に空き家対策として400万円の調査費を計上して、今後の空き家の活用策を含む対策を検討されているようです。住宅課の課長ともちょっとやりとりさせてもらったんですけれども、熊本市が一番空き家の数が多いのでやはり市も頑張っていただきたいなということで、県におくれることなく対策を講じるべきだと思っています。
以上、提言も含めて申し添えて、次の質問に入りたいと思っています。
3点目、13ページの23段目にあるんですが、農業政策課東アジア経済戦略経費1,460万円、もう一つが14ページの5段目、シティプロモーション課の東アジア戦略推進経費3,880万円、これはちなみに昨年に比べると両方とも減額されているんですね。将来の人口減少社会を見据えての戦略としては、海外への輸出や観光客を呼び込む施策は重要だと思っています。
議員団としても、昨年6月末から7月の頭にかけて6泊7日でマレーシア、インドネシア、シンガポールに、牛嶋団長のもと議員9名、事務局2名、添乗員1名の計12名で視察に行ってきました。貴重な税金を使って行ってきました。最初は行きたくなかったんですけれども、目からうろこでした。
視察の目的は、東南アジアの国々からいかに熊本市に観光等で人が呼び込めるのだろうか。そして、熊本の牛肉や野菜、果物等の輸出先として販路拡大をどのように行えるのかというのを探ってきたところです。
視察先では、ジェトロや大使館にも行きました。牧副市長の大学の同級生も、いらっしゃいました。観光業者等にも会って話を伺ってきたところです。
いっぱいあるんですけれども、特に観光業者から言われた指摘が印象に残っているんですけれども、マレーシア、インドネシア、シンガポールいずれの国も日本の観光に訪れる人は華僑を中心とした富裕層です。ハラールで締結してイスラム教徒の人たちもということですけれども、華僑を中心とした富裕層の人たちしかまだ旅行していない。行き先はというと雪の北海道だそうです。暖かい国に住まわれているので、雪というと北海道、北海道は雪、そしてカニやメロンやビールや何とか、いろいろなブランドも含めてですけれども、北海道ブランドができ上がっているそうです。観光戦略として、雪やおいしい食べ物など北海道ブランドが確立する中では、九州ブランドは何でしょうといったときに何もないと言われました。だから、九州ブランドは発信力が弱いからということで、皆さん、九州という言葉自体も御存じないそうです。そこでましてや熊本市と言っても、皆さん、外国の方たちは御存じないそうです。そこで言われたのが、熊本市からだけの発信だけではなくて、九州が1つになって九州ブランドを確立して、九州の農畜産物などの食のフェアと観光のフェアを一緒にPRして取り組むべきではないですかという貴重な提案をいただきました。
もっといっぱいあるんですけれども、はしょって質問させていただきます。
予算は減額になりましたけれども、今後どういった実施内容で取り組まれるのか。そして、私自身は先ほど言いましたように、食と観光を結びつけた担当課間の連携が必要だと考えていますけれども、どのように連携を図り取り組まれるのかということ。3点目、熊本市だけではなくて近隣の市町村も、そして県や九州各都市間との連携も必要だと考えています。もう北海道に負けない熊本ブランドから九州ブランドとして発信して、熊本市の農畜産物や観光の発展に向けて取り組んでいただきたいという思いで頑張っていただきたいということですけれども、
農水商工局長、そして
観光文化交流局長、それぞれの答弁をいただきたいと思っています。
〔
多野春光農水商工局長 登壇〕
◎多野春光
農水商工局長 それでは、東アジア経済交流戦略経費について、平成27年度の実施の内容、それから庁内連携、そして九州各都市間の連携についてお答えいたします。
この事業は、熊本市東アジア戦略に基づき、東アジア、東南アジアの主要都市での地場産品の販路拡大を支援するもので、平成27年度は香港、シンガポール、台湾、高雄市での食品見本市や商談会へ参加いたしまして、地場企業とバイヤーとの商談支援等を予定いたしております。
次に、このような海外での事業展開に当たっての連携についてでございますが、本市が参加する食品見本市等におきましては、観光振興部署と共同で観光物産展も開催しておりますほか、本市を初め県やJA、ジェトロ等で構成いたしますくまもとうまかもん輸出支援協議会におきましては、オール熊本の取り組みとして販路拡大支援も行っているところでございます。
さらに、九州各都市間の連携につきましても、平成24年度の指定都市以降を契機に実施しております九州食の展示商談会等におきまして、国を初め九州の各自治体、関係機関との連携協力のもと、毎年九州各県から約300の出展者が、また国内外から300名を超えるバイヤーに参加いただき、関係者からは好評を博しているところでございます。
今後もオール熊本での取り組みはもとより、オール九州での連携により本市の農産物や食品の販路拡大に努めてまいりたいと考えております。
〔
西島徹郎観光文化交流局長 登壇〕
◎西島徹郎
観光文化交流局長 私の方からは、同じ質問ですけれども観光文化交流局の取り組みについてお答え申し上げます。
今、農水商工局が申し上げられましたとおり、私どもも東アジア戦略に基づきまして、現在東アジア地域、東南アジア地域との交流、連携、情報発信に戦略的に取り組んでいるところでございます。
来年度は、東アジア諸国で開催されます国際旅行博への出展を初め、近年本市観光客が増加しているASEAN諸国をターゲットとして、映画を活用した観光プロモーションなどに取り組むこととしております。
このようなプロモーションに取り組む際には、先ほど農水商工局からありましたように、庁内のやはり連携というのが非常に大切でございまして、密接に協力しながら事業を推進しているところでございます。また、県との連携でございますけれども、現在、台湾、高雄市と3者で協定を結び、観光プロモーションを共同で実施するほか、ムスリム観光客受け入れについても共同でモニターツアーを実施するなど、引き続き連携して取り組んでまいります。
次に、九州各都市との連携でございますが、現在東アジアの玄関口となっております福岡市のほか、新幹線で結ばれます鹿児島市、北九州市も含めまして九州縦断観光ルート協議会を設置し、上海、台湾、タイをターゲットとしたプロモーション活動を、また、九州の横軸となります別府市、北九州市とは東・中九州観光ルート協議会を設置しておりまして、香港へのプロモーション活動を実施しておるところでございます。さらには、九州各都市が加入しますアジア太平洋都市サミットや東アジア経済交流推進機構などの既存のネットワークに参加し、多角連携による東アジアの主要都市と都市間交流の拡大を図る一方、上海事務所におきましても、九州の現地事務所と連携し観光プロモーション活動を行っているところでございます。
今後もオール熊本はもとより、オール九州での連携により東アジア戦略を推進してまいりたいと考えております。
〔福永洋一委員 登壇〕
◆福永洋一 委員 それぞれ両局長から回答をいただき、担当課、県、他都市等も含めて連携した取り組みが展開されているようですけれども、今後の取り組みに大いに期待したいと思っています。
要望を2点言っておきます。
稼げる市をつくっていくためには、やはり人を呼び込む施策や輸出先の開拓は重要です。今後東アジア各国への職員視察等も含めて、やはり実際に行ってみないとわからないというか、本当にわかりました。ひとくくりで東アジアと言って、3カ国、マレーシア、インドネシア、シンガポールに行きましたけれども、それぞれのお国柄があります。そういったところも含めてですけれども、職員の視察等を含めて、もう予算が減らされていますけれども、僕はもうちょっと予算をふやして、さらなる取り組み強化を要望したいと思っています。
今回の3カ国の中に特に印象に残ったのはインドネシアです。マレーシアはハラール協定ということで、60カ国でハラール協定を結んでどんどん輸出しようということで、国策で頑張っているんですけれども、インドネシアの、先ほど牧副市長と元同級生だったというジェトロの人、所長に言わせると、──────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────そういう話を聞いておもしろく思ったんですけれども、インドネシアは賃金が非常に安くて、それでも活気のあるまちだというのを感じました。労働組合が今ばんばん頑張って賃金が1.5倍から2倍ぐらい上がっているそうです。ところが、インフラ整備がほとんどできていないんですね。町なかを走っている車は、僕よりいい車ばっかりでした。貧困層はバイクで2時間、3時間かけてでも通っているんですね。渋滞がひどくて、大使館でお話を聞いて、こっち側にホテルがあったんですが、歩いていけば10分ぐらいで行けるところを車でぐるっと回って1時間半ぐらいかかりました。ほとんど警笛が鳴らされずに、横断歩道なんかもないんですけれども、みんな手を挙げて渡っているような世界ですね。若い世代でも、日本の戦後ではないですけれども高度成長期の勢いのあるまちだというのを肌で感じてきました。
今後、そういった方たちが今、冷蔵庫、洗濯機、小さなものを買ったり、宵越しの金は持たないということでばんばんお金を使っているそうで、そういった方たちがいずれは観光で日本も選んで旅行してくるような時代が、いつかは来やせんかなと思っていますので、インドネシアにもぜひ行っていただきたいなと思っています。
長くなりますので4点目、最後に入ります。
15ページの20段目に、文化振興課が芸術文化を生かしたまちづくりの推進経費ということで新しく650万円の新規事業の予算が組まれています。
質問に入る前に、ちょっと長くなりますけれども、昨年秋に視察に行ってきた県外の施設の紹介をしたいと思っています。
芸術文化にかかわる人たちはほとんどの人たちが御存じなんですけれども、全国で有名な施設があります。可児市、エビ、カニのカニではありませんよ、可能の「可」に児童の「児」と書いて可児市と読むんですけれども、全国2,200以上ある劇場ホールのトップランナーとして位置づけられていまして、文化創造センターというのがあります。岐阜県可児市は人口10万人です。33年前に建設基金を設立して積立金57億円をもとにして地方債や県補助金を加えて128億円をかけて、平成14年に設置されたものです。現在管理運営は指定管理者ということで、指定管理料、国からの補助金ももらわれて5億円以上の補助金を使っているんですけれども、年間3,000万円近くの収益を上げているところです。
たった1時間、館長の衛さんとやりとりをして、文化創造センターも見て回り、最後は自分の金で演劇も見て帰ってきたんですけれども、来館者数は8年前は年間20万人程度だったそうです。8年前に衛さんという方を、大学の先生だったんですけれども、プロモートも含めて演劇、音楽界に非常に精通されている方ということで、ぐんぐん人の出入りがふえて、現在40万人以上の方が来館されているということです。たった10万人規模のまちですよ。観客聴衆は約10%の4万人ということですけれども、4万人のうち7割以上は可児市の市民だそうです。3万人近くの人たちが年間利用されているという施設なんですね。5年前は総務大臣賞も受賞して、以後、文化庁から地域の中の中核劇場音楽堂として5年間の補助をもらっている。5年目を終えて6年目の2013年には国の特別支援劇場音楽堂の指定も受けられているところです。
特徴的な取り組みは、ターゲットは若者ではありません。50代以降の人たちを中心としてコンサート、演劇もやっていますと。若者中心の音楽なんかもやられていますけれども、それはもう安い価格で提供されているということで、一番特徴的な取り組みは公共劇場としての位置づけで、ちょっと難しい言葉があるんですけれども、文化芸術の社会的包摂機能を果たす役割としてセンターが位置づけられているということです。社会的包摂機能。私も
インターネットでブログなどを見て、館長の言葉としては知っていましたけれども、これを説明すると多分20分くらいかかるんですけれども、私の解釈では、社会から疎外されている人たちを包摂、支え包み込む、それで社会参加を促すための機能と私は思っています。
実際、何をされているかということですけれども、地域の中で孤立しがちな高齢者や子育て世代などの市民に対するアウトリーチ、出ていっていろいろなやりとりをする。芸術、文化、音楽などを通しながらきずなを取り戻すやりとりをする。それとワークショップということで、呼び込み施策も含めてさまざまな取り組みをされています。さらには、貧困の家庭、世帯にも入り込もう、不登校児にも対応しよう、虐待を受けている子供たちの家庭にも入り込もう、障がい者や長期入院児、在留外国人などに対する取り組みも模索されているということで、本当にトップランナーとしていろいろな取り組みをされているところです。
熊本市には市民会館や市現代美術館もあります。市現代美術館には子育て関連の施設がこの前できましたが、それもこの社会的包摂機能に沿った意味での役割を果たしているというところであります。
ということで、ちょっと前置きが長くなりましたけれども、新たに芸術文化を生かしたまちづくり推進経費が上がっていますので、実施内容、スタートラインですけれども、その具体的な内容や今後どのように進めていかれるのかというのが1点目の質問です。
現在、市民会館や市現代美術館がありますけれども、プランをつくっていくということが書いてありましたけれども、プランの実施主体はどこなのか。市民会館や美術館の連携役割等をどのように位置づけられているのかという大きな2点の質問を、
観光文化交流局長にお尋ねします。
〔
西島徹郎観光文化交流局長 登壇〕
◎西島徹郎
観光文化交流局長 芸術文化を生かしたまちづくり推進経費の具体的内容についてでございますが、まずは、内外の専門家を委員とします(仮称)熊本市芸術文化会議を立ち上げまして、さまざまな意見、御助言をいただくとともに、市民シンポジウムなどを開催し市民の皆様から御意見を聴取し、本事業の基本的な方向性と事業内容を決定していきたいと考えております。
また、芸術文化を生かしたまちづくりの具体的なパイロット事業といたしまして、西区と連携いたしまして芳野地区におきましてアートを生かした地域交流イベント等の開催等を予定しているところでございます。
最後のお尋ねの実施主体でございますけれども、現代美術館や市民会館が拠点となりまして、さまざまな文化団体、民間団体、芸術家等とのコラボレーションによって推進していくものと考えております。
いずれにいたしましても、今後市民の文化力向上と文化芸術の都市の魅力や活力につなげていくため、芸術文化を生かしたまちづくりの推進に努めてまいります。
〔福永洋一委員 登壇〕
◆福永洋一 委員 可児市は、先ほども言いました10万人都市ですけれども、年間延べ3万人近くの方たちが日ごろから芸術文化になれ親しんでいるということになります。
熊本市は70万人以上ということで、10万掛ける7倍ですので20万人以上の人が参加できるような中身の取り組みをしなければいけないというところですけれども、実施拠点として市民会館や現代美術館を位置づけるということですので、頑張っていただきたいと思っています。特に先ほど言いました社会的包摂機能をより充実化していただきたいというのが僕の要望です。
それと、芸術文化を生かしたまちづくりというのは、単に一過性で終わるものではないと思っています。ずっと取り組んでいって、よりよく市民に幅広く知らしめていく施策だと思いますので頑張っていただきたいなと思っています。
最後に、もっとやりとりしたかったんですけれども、局長に先ほど言った社会的包摂機能は知っておられましたかと聞きたかったんですけれども、いじめるのはやめにして、今度具体的にやりとりをしたいと思っていますけれども、衛館長とやりとりした中で幾つかの示唆に富む言葉をいただきました。この言葉はMICE施設にも通じていく言葉ですので、耳が痛いかもしれませんけれども読み上げます。
「公立劇場」、これはMICE施設、現代美術館、市民会館にも当てはまると思いますが、「公立劇場は興行場であってはいけない。タレントや有名な俳優を招いての瞬間最大風速の動員を求めるマーケティングでは固定客を獲得できない。箱物を建てた後のマネジメントとマーケティングが必要」だと言われました。
実際、MICE施設の新聞記事なり資料を帰る間際に見せて、どう思われますかと言ったら、まだこんなことをやっているのと言われました。東京のコンサル会社が多分入っているよ、やめた方がいいと言われました。私は推進派です。MICEの有用性と必要性を一生懸命訴えてきました。ただ、多くの自治体がそのコンサル会社のマネジメントによってやっていますけれども、失敗した事例も多いそうです。衛館長が言われたのは、若者をターゲットにしても金は落ちていかないし、長続きはしないよと私に言われました。四、五年はもつかもしれないけれども10年、25年は難しいのではないのというお話を伺いましたので、私自身ももっとやりとりしたかったんですけれども、MICE、今議論のさなかですけれども、本当に有用性、必要性も含めて、継続性も含めてですけれども、議論をしていかなければいけないと思っています。
最後に言いました箱物を建てた後のマネジメントとマーケティングが必要という言葉、とても重要な言葉だと思っています。きょうは、私の一方的な要望なり提言で終わって、市長とやりとりする時間がないんですけれども、今後いずれの事業も重要ですし、今後の取り組みを注視、見詰めていきたいと思っていますし、市長とも議論する機会があったらきちんと議論して、よりよき事業にしていきたいし、熊本市の発展を願って市長になって頑張っていきたいという思いを込めて、私の質問を終わりたいと思います。
○坂田誠二 委員長 福永洋一委員の質疑は終わりました。
次に、東すみよ委員の質疑を行います。
〔東すみよ委員 登壇〕
◆東すみよ 委員 市民連合、2番バッターとして東すみよ、頑張ってまいります。
昨年もこの場で、学校で実施の集団フッ化物洗口における問題点を指摘いたしました。しかし、来年度予算にもこのことに関する予算が計上されております。新たに入手した資料を示しながら再度、質問していきたいと思っております。
まず、熊本市の3歳児におけるむし歯の罹患率とそれは全国で何番目に位置しているのか、データをお示しください。健康福祉子ども局長にお尋ねいたします。
〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕
◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長 お尋ねの本市の3歳児のむし歯の罹患率についてでございますが、平成24年度実績で27.1%でございまして、政令市の中では最下位という現状でございます。
〔東すみよ委員 登壇〕
◆東すみよ 委員 最下位ということは、既に3歳児の時点で多くの子供たちにむし歯があるということになります。
それでは、むし歯を予防するということになりますと、3歳児以前、すなわち子供が生まれる前の妊婦の健診やそして食育の問題あたりの教育、親への教育をいかに徹底していくかが重要になってくるのではないかと思います。取り組みはやっているとおっしゃっておりますが、この件に関してどのような取り組みをされているのか、健康福祉子ども局長にお尋ねいたします。
〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕
◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長 御質問にお答え申し上げます。
各区役所におきましては、育児相談、1歳6カ月健診、3歳児健診、妊婦健診などを実施しておりますが、その中での御説明等々を行っているところでございます。歯科医師や歯科衛生士から子供及び親の歯の手入れなどについても、ここに説明を行っている状況でございます。
〔東すみよ委員 登壇〕
◆東すみよ 委員 今おっしゃった取り組みは、ずっと以前からそういう取り組みをされているにもかかわらず、このパーセントが最下位ということになれば、その取り組みがやはり問題になってくるのではないかなと。もっとその点の取り組みをきちんとやっていくことが、やはり3歳児までの子供たちのむし歯をなくすということにつながっていくのではないかなと思っております。
このフッ素洗口に関しまして明らかな問題点といたしまして、入手した資料を示しながら質問していきます。
明らかな問題点としては、むし歯予防にフッ素が有効であるかのような情報がありますが、フッ素でむし歯予防はできないどころか、歯自体はもちろん、身体的にいろいろな悪影響を与えているとの専門家発表があっております。
幼児・児童に対しての長期のフッ素洗口は、前回にも指摘いたしましたように、どうしても飲み込んでしまう量が多く、1回1回のうがいの量は安全値であっても長期間続けることによって起こる可能性のある薬害作用としては、歯の異常、歯牙フッ素症ですね。これは火山の多い日本では、火山帯の自治体に多い、歯が黒くなってしまってぼろぼろになっていくという症状です。それと甲状腺への影響、男児の骨肉腫の発生頻度の上昇が見られる。ダウン症児を産む発生頻度の上昇もある。特に歯と異なり骨への影響は大きく、骨の発がん性率も高く、それは外から見えにくいために初期症状は関節炎と診断されることが多いことから、より一層の精査が必要であることが指摘されます。長期のフッ素洗口は骨だけでなく、フッ化アルミニウムとして脳にも蓄積され、アルツハイマー病と同じような症状をあらわすことが指摘されております。
この資料は、化学者である筧光夫教授、ニューヨーク・セントローレンス大学教授などの文献から得た資料です。アメリカでは、フッ素に関する薬害に対して長い間隠蔽されてきた経緯があり、世界的な問題となっていることを認識する必要があります。
公衆衛生の面からの指摘としては、フッ素という薬物を集団投与する場合、大多数の人は平均的な反応を示します。大多数の人は異常がないと判断されます。しかし、残りの数%の人は過敏に反応し、健康障がいを受けているということになります。今、アレルギー症状の子供たちがふえている中で、またその症状を引き起こす可能性があるということを見逃すわけにはいきません。数%の人たちへの配慮は、人権を守る意味からも必要になってまいります。
このような専門家さえ危険性を指摘しているフッ化物洗口を学校で一斉投与することに、担当局としては何の議論もなく、何の問題点も見られずに実行されているのでしょうか。その点を健康福祉子ども局長にお尋ねいたします。
〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕
◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長 フッ化物の安全性についてのお尋ねでございますが、この安全性につきましては、WHOや厚生労働省など世界の専門機関が一致して安全性や効果を認め、フッ化物を用いたむし歯予防を推奨しているところでございます。
また、全ての有害作用は、適量を超えれば発現することは承知されておりますが、フッ化物についてもどの量やどの濃度でどのような現象が発現するか、そのメカニズムが把握されております。むし歯予防を目的としたフッ化物歯面塗布やフッ化物洗口などのフッ化物応用は、日本口腔衛生学会フッ化物応用委員会の発行しております「フッ化物応用の化学」という冊子では「適切に実施される限り問題となる有害事象の懸念はない。」とされておりまして、フッ化物歯面塗布の実績は1940年代から蓄積されているところでございます。
また、長年にわたりフッ化物洗口を行っております新潟県でも、これまで問題は起きていないとお聞きしております。
〔東すみよ委員 登壇〕
◆東すみよ 委員 何の問題点もないとおっしゃいましたが、しかし、新潟県の例がよく引き合いに出されますが、フッ素洗口をしてむし歯の率が低くなったというのはほんのわずかなむし歯の本数です。それとフッ素だけでなく、新潟県ではやはり歯科医師会と連携し、いろいろな形で医師会の協力を得て学校の中で取り組みが進められている結果だと思います。そういう意味からすれば、フッ素だけに頼るということではなく、やはりいろいろな形でこのむし歯予防は考えられるわけですから、いろいろな懸念が示されているこのフッ素洗口を学校で一斉に投与するということ自体が間違っていると思います。
例えば、やはりフッ素洗口をしたいという保護者もいらっしゃると思います。しかし、フッ素でむし歯を治すものではありません。むし歯を予防する目的とするのであれば、先ほど述べましたように、妊婦健診の折にきちんとした情報を妊婦に与えて、そして健診を受けさせるということ、そして食育の問題で正しい歯に対して有効な食べ物の教育を行っていくということも必要になってくると思います。できるだけ安全で効果のある歯磨きを徹底していくということが必要になってくると思います。将来に影響を与える歯周病対策として対策を考えて、正しい歯ブラシの使い方、歯の磨き方を歯科医師と協力しながら推進すべきだと考えます。
城東小学校の全国表彰に加えて、今年度、花陵中学校保健委員会の発表が全国1位となりました。生徒たちの発表を聞く機会がありましたが、これはやはり学校歯科医の協力を得て、そしてむし歯の再チェックや生徒会主催の歯の衛生に関する取り組み、養護室との連携を含めてその取り組みが評価を得たものと伺いました。こういう取り組みこそが学校と地域が一緒になった真の健康教育と言えるのではないかと考えます。
それでもフッ素洗口を実行されるとするならば、ここでしっかり確認しておきたいことがあります。現在モデル校7校で実施されていますが、フッ化物はどのようにして、誰が学校に運び、希釈して子供たちの手に渡っているのでしょうか。学校でそのフッ素でうがいをした後処理はどうなっているんでしょうか。
県は、熊本市以外の学校での実施を行っています。最初の取り決めでは、各自治体が責任を持って担当を派遣し、心配されている学校教職員たちの多忙化の解消を図るということでした。しかし、どの自治体も人材の確保ができません。結果的には、学校にしわ寄せが来る結果となっています。
モデル校での検証は、担当職員が配置されての実施です。このような人員配置が全校実施となったときにも約束されるのでしょうか。担当局長に伺います。
〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕
◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長 フッ化物洗口事業の来年度の予算に関してお答え申し上げたいと思います。
現在7校で実施しておりますフッ化物洗口の取り組みを参考にしていただきながら、新たな小学校での実施に広げてきたいと考えております。うがいの薬剤作成に使用します薬剤費のほか、業務の支援を行います嘱託職員
雇用経費などを計上いたしておりまして、14校での実施を目指しているところでございます。また、実施の普及に努めながら、むし歯予防等の効果の検証にも継続して取り組んでまいりたいと考えております。
それから、現在モデル事業で実施いたしておりますが、このモデル事業を来年度延長いたしまして、学校、教育委員会、区役所、市の歯科医師会、また8020などのボランティアの方々と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
〔東すみよ委員 登壇〕
◆東すみよ 委員 現在モデル校で実施されておりますが、その学校での実施の際に、フッ素を希釈して、そして運び、子供に手渡しているのは誰がしているんでしょうか。
〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕
◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長 薬剤の作成につきましては、区役所の保健子ども課の職員あるいはそこにおります健康づくり推進課で雇用しております嘱託職員等が実施に当たっております。
〔東すみよ委員 登壇〕
◆東すみよ 委員 今のところ、モデル校としてわずか7校ですので、毎日ではありませんので、数人の方がそれを担当されているのだと思います。
しかし、これがだんだん広がって全校実施となりますと、熊本市の小中学校、相当数の小中学校がありますので、そういうことに人員が配置されるのかどうかというのが懸念されることですし、ボランティアと簡単におっしゃいますが、ボランティアで学校に週に1回なり2回なり、お母さんたちなりお父さんたちなりがお手伝いするということが果たしてできるのかどうか。では、そのボランティアを配置する作業は誰がするのか。結果的には学校に負担がかかってくるのではないかと危惧いたします。夏休みのプールの当番でさえも、やはり保護者の方たちができないということで、夏休みのプール使用を断念する学校が出てきていると聞いている中で、やはりこのようなフッ素洗口にボランティア、PTAの方たち、地域の方たちにお願いするということが果たして可能なのかどうか。その辺あたりの検証もしていかなければならないと思っております。
現在実施されているモデル校の検証の結果を見ない段階で、さらに枠を広げていこうとされることに、大変違和感を覚えるものです。財政厳しい中で、予算は有効かつ適正に活用してほしいと考えております。
そこで、市長にお尋ねいたします。
これまでのやりとりを聞きながら、フッ化物洗口についての御感想を伺います。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 私は、子供たちが健康な歯を保持し、むし歯なく大人に成長していくことは、その子供の生涯にとってかけがえのない財産であると思っております。そしてこれは、身体全体の健康にもつながるものと考えております。
近年、市民の健康への関心は高まってきておりますけれども、まだ理解が進んでいない面もございます。実際、熊本県や熊本市においては、先ほどの答弁にもありましたとおり、全国的に見て子供のむし歯の状況は下位にありまして、この状況をどうにかしないといけないという思いから、私自身も県議会議員の時代に平成22年に制定しておりますけれども、熊本県歯及び口腔の健康づくり推進条例、この提案者として積極的に推進してきたところでございます。
このフッ化物洗口の事業は、フッ化物洗口の実施だけを目的にしているものではなくて、生涯にわたっての健康教育の一つとして健康意識を子供やその保護者にも体得してもらうことで、自分自身の健康にも関心を持ち、みずから健康づくりに取り組むことのできる人になってもらいたいという思いを強く持っているところでございます。
ただ、学校で実施するに当たってはさまざまな課題が想定されることから、学校関係者等の理解が十分得られるよう丁寧な説明をするとともに、関係部署、団体が連携しながら最大限の努力をしていく必要があると考えております。
〔東すみよ委員 登壇〕
◆東すみよ 委員 市長の言われるとおりだと思います。市長は、本会議の中の質問の答えの中で自分の健康は自分で守るということが大事だとおっしゃいました。まさにそのとおりだと思いますし、自分だけでなく、やはり家庭、特に子供の健康は親の責任として家庭で管理すべきだと考えます。
今、家庭の教育力の低下が懸念されている中で、歯科医師と相談しながら健康管理をしていくための援助が行政でなすべき責務だと考えています。市長は、体全体の健康を考えてというお言葉でしたが、やはり体全体のことを考えるのであれば、危険性が指摘されているフッ化物洗口ではなくて、なぜむし歯が熊本県では減らないのかというのであれば、歯磨きの指導の仕方が悪いのではないかとか、家庭への協力をその点で求めていく、家庭教育力の基本的生活習慣の見直しをやっていくとか、その辺あたりの取り組みをきちんとしていくことが大事だと考えられなければならないと私は考えています。
いろいろなことを行政の中でやりとりするときに、行政はよく「もしものことが」という言葉が聞かれます。もしも何かが起きたときの責任の所在が明らかにならないということだと思いますが、何も起きないといっても、しかしもしもが障害となってまいります。
では、フッ化物洗口については、学校には薬は持ち込まないとされています。しかし、このフッ化物が学校に持ち込まれ、健康被害の発症が懸念されるのではないかと実施の中止が求められているにもかかわらず、実施されようとしていますが、将来このことが原因とされる健康障がいが発覚したときの責任の所在をはっきりしておきたいと思います。
薬害エイズ事件を取り扱った薬害オンブズパーソン会議では、フッ化物洗口の集団適用に関する意見書を取りまとめて、厚生労働省と文部科学省に提出しています。意見書の趣旨は、フッ化物洗口を集団で4歳から14歳を対象に行うべきではないとするものです。
オンブズパーソン会議が指摘した理由は、1つは、フッ化物洗口は急性中毒の発症の危険性がある。2番目に、フッ素洗口は発がん性を含む長期的害作用の危険性がある。3つ目、近年子供のむし歯は減少しており、フッ素洗口の必要性は低い。4、集団に齲歯予防目的でフッ素洗口を展開することは、個人の自己決定権を侵害する違法な公衆衛生政策であるという、この4点を挙げて意見を展開しております。
こういう意見書の趣旨が厚生労働省と文部科学省に出されています。もしこれらの指摘を無視して、将来もしものことが起きたときの責任はどこにあるのでしょうか。市長にお尋ねいたします。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 先ほど東委員の方からもいろいろと御心配のお声、御意見がございますけれども、先ほど局長も答弁したとおり、40年以上実施しておられる新潟県でも問題は起こっていないと。また、本市においても平成13年度から実施している保育園、幼稚園でのフッ化物洗口においても、アレルギー等の報告はないということでございます。
また、誤飲等による急性中毒が起こるのは、体重30キログラムの児童が一度に六、七人分の洗口液を誤って飲み込んだ場合ということであって、これまでこのような事故の報告はございません。
そうしたことから、定められた手順に従って実施すれば有害作用が起こることはないと考えております。仮に事故等が起こった場合、他の一般的な公衆衛生事業と同様に国・県、実施主体である市のそれぞれの立場に応じた責任で対応するものと考えております。
〔東すみよ委員 登壇〕
◆東すみよ 委員 誰だって事故が起きる、いろいろな障がいが起きると思って行政、何でも実行することはありません。しかし、やはりいろいろな薬害のエイズにしても、それから肝炎の問題にしても、起こり得ないと思われることが長い期間を置いて起きているわけです。
いろいろなフッ化物洗口で異常の報告はないとおっしゃいましたが、熊本ではまだ少ない中でそういう報告はないかもしれませんが、他県の場合では、子供たちの気分が悪くなったりとか、そして救急車で運ばれたりといった事件が起きている報告があります。
いつだって事件は起こらないという前提の中で、もしも子供たちの体調が悪くなったときの危機管理体制もまだ学校ではきちんと整ってはおりません。実施するのであれば、もしものことも考えてやはり危機管理体制をきちんととっていくことが必要になってくるのではないかなと感じております。子供たちの健康を守るという観点から、より安全な方策で子供たちの健康を守っていってほしいと感じます。なぜこのようなフッ化物洗口を学校の中に、しかも集団で実施しなければならないのかということを改めて考えていく必要があると考えます。
大西市長はまだお若くていらっしゃいますし、私の息子と同じぐらいの年齢かとは思いますが、今からかわいいお孫さんたちもできてくるでしょう。その中で小さい子供たちにそういうフッ化物を受けさせることが果たしてできるのかどうかということも考えてほしいと思っております。このことに関して真摯に市民と対話していくという大西市政の中で、数%の人たちの声もきちんと吸い上げてほしい。そのことが人権を守る市長なんだということで評価されていくのではないのかなと思いますし、それがこれからの大西市政に大きく影響してくるものと考えております。
このことにつきましては、やはり私どもは反対の立場でこれからも取り組んでまいりますので、どうかその点を御承知の上で対応をお願いしたいと思います。
大西市長とは、最初で最後の質疑となりましたが、また市長のこれからの御活躍に期待して、大いに期待しておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
これで私ども市民連合の質疑を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○坂田誠二 委員長 東すみよ委員の質疑は終わりました。
以上で市民連合の質疑は終わりました。
次に、公明党、藤永弘委員の質疑を行います。
会派持ち時間は40分となっております。
〔藤永弘委員 登壇 拍手〕
◆藤永弘 委員 こんにちは。公明党市議団の藤永弘です。私の方からは、平成27年度当初予算案の概要19ページに記載してあります教育委員会関係分の情報モラル教育経費と、同じく9ページの健康福祉子ども局関係分の生活支援基盤体制整備事業の2点について質疑を行ってまいりたいと思います。
まず、情報モラル教育経費についてお伺いしたいと思います。
インターネットの問題について、昨年の第1回定例会、第4回定例会でも質問いたしましたが、
インターネットの普及による社会の情報化は、子供たちの生活や心身の問題に大きな影響を及ぼしています。特にパソコン並みの性能を備えたスマートフォン、スマホは、長時間利用による健康や学習への悪影響のほか、いじめや
インターネット上の犯罪の温床になるなど多くの問題が浮上しており、ネットの適正な活用方法、情報マナーの向上の取り組みが一層求められているところです。
総務省が昨年9月に公表した青少年の
インターネットリテラシー、情報ネットワークを正しく利用することができる能力指標によると、スマホ保有者は全体の88.1%と、昨年度84%より上昇しており、一日の
インターネットの利用時間が2時間を超えるとリテラシーが低くなっていくという結果が出ています。高校生を対象としたネットリテラシーの調査において、ネットの利用時間が短い人ほどリテラシーが高いという結果が得られました。ネットを見ないほどリテラシーが高くなるというのはどういうことでしょうか。
この調査は総務省が3年前から行っているもので、全国の高等学校1年生相当約3,700名に対しアンケートを使ってネットの利用実態を調べたものです。総務省では、
インターネット上の危険、脅威に対する能力を、青少年が
インターネットを安全に安心して活用するためのリテラシーと定義しています。これは、
インターネット上の違法コンテンツ、有害コンテンツに適切に対処できる能力、
インターネット上で適切にコミュニケーションできる能力、プライバシー保護や適切なセキュリティ対策ができる能力という3つの能力で構成されています。調査対象者に問題を出して、正答率が高い方がリテラシーが高いと認定します。具体的には、違法コンテンツをうまく見分けたり、不必要なファイルをダウンロードしないよう工夫できる人、セキュリティ対策を講じることができる人はリテラシーが高い人ということになります。
注目すべきなのは、
インターネットの利用時間とリテラシーの関係です。1日当たりの
インターネット利用時間が1時間から2時間というグループのリテラシーが最も高く正答率72.4%、次いで高いのは1時間以内というグループでした。正答率71.2%。これからは利用時間が延びるほどリテラシーが低下し、6時間以上というグループでは正答率は64.4%に低下しています。ネットの利用時間が長い人ほどネットにのめり込んでいる可能性が高いわけですが、こうした人はネット上のリスクに対して余り敏感でないということがわかります。
当然の結果かもしれませんが、6時間以上ネットを使っている人は睡眠時間が短くなる傾向にあります。6時間以上ネットを見ている人で、一般に適切と考えられる7時間から9時間程度の睡眠をとっている人は14.4%と、ほかのグループに比べて大幅に少なくなっています。また、3時間以上5時間未満という人の割合が特出して高くなっています。
そんな中、子供たちのルールづくりを教育委員会としても支援されていますが、このたび新たな事業として、情報モラル啓発のための派遣研修等経費を施行されます。
そこでお伺いします。
既存授業、また新たな手引書による授業での教育と、この情報モラル教育経費について、それぞれの狙い、特徴をお聞かせください。教育長の答弁をお願いします。
〔岡昭二教育長 登壇〕
◎岡昭二 教育長 情報モラル教育に関します御質問にお答え申し上げます。
まず、既存事業ということでございますが、ネットトラブル対策の既存事業につきましては、現在ネットいじめや個人情報の流布等の早期発見、早期対応のため、専門の業者に委託しまして、学校非公式サイト等の検索、調査、削除等を行っております。また、子供がスマートフォンの利便さや危険性などを学ぶため、指導主事が学校へ出向き出前授業を実施しているところでございます。
次に、本年度作成いたしました情報モラル教育の手引書についてでございますが、これは学校全体で情報モラルに関する指導方法等を共有し、子供たちにネットトラブルやその対応策等について具体的に指導する際に役立てることを狙いとして作成いたしたものでございます。特徴としましては、トラブルに巻き込まれることを未然に防ぐため、本市で実際に起きた事例をあえて下の学年に紹介することといたしております。また、モデル指導案やワークシートの例を具体的に示し、子供たちにトラブル回避方法等をみずから考えさせる、そのような授業づくりに活用することといたしております。
最後に、新年度予算に計上いたしております情報モラル教育経費についてでございますが、情報モラルの啓発を効果的に進めるためには、学校だけではなく家庭の協力が不可欠なことから、本事業では家庭と連携した啓発を進めることを狙いといたしております。そのため、まず2年間で全ての学校にネット問題に詳しい専門家を派遣いたしまして、保護者と子供が実際にスマートフォンを操作するなど、体験を通した研修を行うことといたしております。
また、情報モラルの必要性を広く市民の方に周知するために、大ホール等を会場としまして、小中学生による学校での取り組みの発表や保護者、専門家と一緒にパネルディスカッションを行うことといたしております。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 答弁ありがとうございました。情報モラル経費は、学校だけではなく家庭を初め市民に情報モラルの啓発を進めるのに効果的な事業と思われます。
そこでお伺いします。
2年間で全ての学校に研修を行うということですが、経費も余りかからないので1年間で行うなどスピーディに対処することはできないのでしょうか。また、今のところ2年間の事業とお聞きしておりますが、事業効果も高いと思いますので、一過性に終わらせずに継続的に実施することはできないのでしょうか。
以上2点、教育長にお尋ねいたします。
〔岡昭二教育長 登壇〕
◎岡昭二 教育長 引き続きまして、情報モラル教育に関しましての御質問にお答えいたします。
まず、事業の1年間での全校実施ができないかということでございますが、この事業、学級懇談会やPTA総会などの子供と保護者が学校に集まる機会を通して実施しようと考えておりますが、そのような機会は学期始めや終わりに集中するため、保護者と連携した研修の機会が限られているということが1つございます。
また、派遣する講師につきましても、ネット問題に詳しい専門家の人数は限られておりますことから、このようなことから本事業につきましては2年間をかけて計画的に実施することといたしております。
次に、本事業の継続的な実施につきましてでございますが、情報モラル教育の重要性は教育委員会といたしましても十分認識いたしておりまして、今後も継続的に情報モラルの意識を高めるための取り組みに努めなければならないと考えております。
ただ、その具体的な事業、手法につきましては、刻々と変化する情報社会によって新たに生じる課題も想定されますことから、2年間の本事業における検証を行いまして、またそのときに合った効果的な手法を検討していく必要があると考えております。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 答弁ありがとうございました。子供たちが容易に
インターネット、携帯電話に触れる環境が整ってきていることからも、子供たちだけではなく保護者と連携した研修は大事と思いますので、この事業は効果的と思います。情報モラルの重要性は教育委員会としても十分認識され、変化に応じた効果的な手法を検討していくということですので、今から先、また
インターネットというのは効果的な必要性のあるものと思いますので、だからこそ子供たちの
インターネットによるトラブルを解消するために、今後ともよろしくお願いしておきます。
続いて、生活支援基盤体制整備事業について質疑いたします。
昨年12月の一般質問において、地域包括システムの構築のために地域包括センターの出先として相談窓口を小学校区ごとに配置を検討されてはどうかとの質問に対して、健康福祉子ども局長から、次年度より地域包括センターごとに生活支援コーディネーターを配置するとの答弁がありました。これは、介護保険制度改正に対応してのことと思いますが、今回の制度改正で大きく変わるのは次の3点になります。
1番目が、要支援1・2の対象者について、介護保険本体の給付、予防給付から訪問介護と通所介護を外し、対応するサービスについて地域支援事業を再編成する。
2番目が、個別のサービスでは通所介護の機能の改革、特に定員18人以下の小規模型については地域密着型サービスへの移行をし、今後は新たな事業所開設については保険者の管理下に置く。
3番目が特別養護老人ホームへの入所対象者を原則として要介護3以上にするです。
これらの改正を実施するためには、区市町村行政の人材力、行政トップの力量や考え方が問われることになると思われます。今回の改正で大きく変わる3点を紹介しましたが、中でも本日私が取り上げたいのは、1番目の要支援1・2の軽度者について、訪問介護、通所介護の予防給付の対象から除外されていくということです。
介護予防でのサービスの利用は、介護予防通所介護と介護予防訪問介護が中心です。それぞれのサービスの内容は、前者では機能訓練が大半で、後者では買い物が中心となっています。
本市では、要支援1・2と認定されている方が1月現在で1万1,515人いて、介護予防の利用者は6,942人利用しています。内訳は、訪問介護を利用している方が4,052人、通所介護を利用している方が2,890人、この方々が介護保険の本体給付から外れますので、これまで訪問介護と通所介護を利用していた人たちへの対応が極めて重要な課題となります。その人たちへの対応をどうされるのでしょうか。
地域支援事業の再編成への対応が必要となっていますが、訪問介護、通所介護利用者の具体的なニーズ、またその利用によりどのような改善が図られていたかを把握し、どのような提供体制を構築していくのか、本市の力量が問われます。
また、介護予防サービスの事業所との関係も出てきます。厚生労働省によれば、制度廃止に当たっては、現在給付している財源を新たな事業に移すのでサービスの利用は継続できると説明していますが、財源的に手当てされるのか、費用の伸びに上限を設けるとのことであり、対応への課題があります。また、それを新しい総合事業に移して同様に実施するとのことですから、利用者のニーズ、満足度等を高めながら地域支援事業を再編し、新たな事業へどのように移すのかが課題となります。
全国一律のサービス内容であった訪問介護や通所介護については、新しい総合事業に移行することにより、介護事業者による既存のサービスに加えてさまざまな主体により多様なサービスが提供されることにより、利用者の選択の幅が広がる可能性もあります。
そこでお伺いいたします。
1点目、生活支援コーディネーターを配置する目的は何でしょうか。
2点目、地域支援事業の担い手としてどのような方、また団体を考えていますか。また、担い手の方にはどのようなサービスをお考えなのでしょうか。
3点目、担い手の方に対して育成のための研修などはされるのでしょうか。
4点目、担い手の方に対する報酬はどの程度お考えでしょうか。また、サービスごとの利用者の利用料金はどのように決めるのでしょうか。
以上4点、健康福祉子ども局長にお尋ねいたします。
〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕
◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長 4点のお尋ねにお答え申し上げます。
1点目の生活支援コーディネーターを配置する目的についてでございますが、生活支援コーディネーターは、本市におきまして平成29年度からの実施を予定しております介護予防日常生活支援総合事業の受け皿となるサービス提供体制の構築を目的といたしまして、地域資源の発掘や人材育成支援、地域でのネットワークづくりを行うことといたしておりまして、平成27年10月より27カ所の地域包括支援センターに配置を予定しているところでございます。
2点目の地域支援事業の担い手についてでございますが、地域支援事業の担い手につきましては、従来の指定サービス事業所に加えまして、民間事業者、NPO法人、地域団体、ボランティア団体などを想定いたしております。
また、サービス内容といたしましては、現在要支援1・2の訪問介護、通所介護に加えまして、短期集中型の介護予防事業や買い物支援、ごみ出しなどの生活支援に関するサービスなどを想定いたしております。
3点目の担い手への育成研修についてでございますが、担い手につきましては地域団体やボランティア団体なども想定しておりますことから、訪問や通所介護サービスに関する基礎的研修や新制度の基準などに関する説明など、新しい総合事業に適切に対応できますよう、担い手の育成研修を実施いたします。
4点目の担い手に対する報酬と利用料金の決め方についてでございますが、従来は要支援における月単位の報酬設定でございましたが、例えば1回当たりのサービスごとの単価設定や利用料金を定めることを含めて今後研究してまいりまして、平成28年度中には決定いたしたいと考えております。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 報酬設定、利用料金については今後研究し、平成28年度中には決定していくということですので、利用者負担が余り高くならないようにお願いしておきます。
平成29年度から実施を予定している新たな総合事業の受け皿となるサービス提供体制の構築を目的に、生活支援コーディネーターが地域資源の発掘や人材育成支援、地域でのネットワークづくりを行うとのことですが、今回の保険制度改正では、厚生労働省が最も期待しているのがボランティアの活用と言われています。しかし、ボランティアには地域の格差があり、サービスの格差が発生するのではないかと思われます。
そこで、健康福祉子ども局長にお尋ねいたします。
地域格差が出ないように、ボランティアの活用に期待できない地域にはどのように対処されるのでしょうか。
〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕
◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長 サービス格差対策についてのお尋ねにお答え申し上げます。
新しい総合事業のサービス提供につきましては、現在におきましてもシルバー人材センターなどが校区や区を超えてサービス提供を行っておりまして、こうした担い手を活用いたしますことで対応してまいりたいと考えております。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 なるほど、1つのシルバー人材センターなどでサービス提供が今のところ、当面は可能かもしれません。しかし、2025年に向けて、75歳以上の高齢の方は急激にふえていきます。また、厚生労働省は、生活支援の担い手として地域住民の参加を最も期待しており、しかも高齢者に社会参加を促すことで元気な高齢者の方に生活支援の担い手になってもらおうと考えています。ますます担い手が必要になってくるかと思います。
簡単な事業ではないと思います。住民の皆様が自分たちの切実な課題は自分たちが主体となって解決していくという姿勢にならなければ、この事業は成功しないのではないかと思われます。その手伝いをするのが行政であり、生活支援コーディネーターだと思います。
そこで、大西市長にお伺いいたします。
12月の一般質問でもお尋ねしましたが、きめ細かな対応、お手伝いを行うためにも、生活支援コーディネーターは27カ所の地域包括支援センターに足場を置くのではなく、地域コミュニティセンターなどを拠点に全校区に配置してはいかがでしょうか。
〔大西一史市長 登壇〕
◎大西一史 市長 生活支援コーディネーターの全校区への配置という御提案でございますけれども、本市では高齢者のさまざまな相談、見守りや介護予防ケアマネジメント等を通じた高齢者ニーズの把握を行うために、27カ所の日常生活圏域に地域包括支援センターを設置しているところでございます。
また、地域包括支援センターは、区役所や地域団体、医療、介護の各関係機関等と連携し、支援を必要とする高齢者を支え、地域包括ケアの中核としての役割も担っているところでございます。
新しい総合事業の多様なサービス提供体制づくりを目的とする生活支援コーディネーターを地域包括支援センターに配置する方が、高齢者のニーズに合ったサービス提供体制の構築をより効果的、効率的に進められると判断したものでありますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。
〔藤永弘委員 登壇〕
◆藤永弘 委員 答弁ありがとうございました。ちょっと不満がありますけれども。
生活支援コーディネーターを地域包括支援センターに配置することは、一歩前進とは思います。だけれども、現場でつくり上げていかないと、なかなかこの事業は大がかりな事業になってくると思いますので、ボランティア等の生活支援の担い手の養成とか発掘等の、地域資源の開発やそのネットワーク化などを行うためには、やはりより身近な校区に設置した方が、地域包括支援システムの構築にもつながっていくのではないかと思います。
窓口を身近な地域に設置したからといって、すぐに住民と協働した地域包括ケアが進むわけではございませんが、だけれども、よりそばにいないとおくれをとるのではないかと心配しているところでございます。
地域包括ケアの構築に当たっては、地域の力をいかに引き出すかが重要であり、そのためには生活支援の担い手となるボランティアを養成する専門職の育成が鍵を握っていると思われます。政策的にそうした仕組みをつくると同時に、地域に住んでいる方々と一緒に協働できる専門職がそうした力量を高めるためにも校区ごとの配置をもう一度要請しまして、私の総括質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○坂田誠二 委員長 藤永弘委員の質疑は終わりました。
以上で公明党の質疑は終わりました。
総括質疑の途中でありますが、本日の会議はこの程度にとどめ、残余につきましてはあす2月25日水曜午前10時から再開したいと存じます。
これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
午後 3時05分 閉会
出席説明員
市長 大 西 一 史 副市長 高 田 晋
副市長 牧 慎太郎 総務局長 飯 銅 芳 明
企画振興局長 原 本 靖 久 財政局長 木 下 修 一
健康福祉子ども局長宮 本 邦 彦
農水商工局長 多 野 春 光
観光文化交流局長 西 島 徹 郎 都市建設局長 永 山 國 博
教育長 岡 昭 二
議会事務局職員
事務局長 大 杉 研 至 次長 木 村 建 仁
議事課長 富 永 健 之 議事課副課長 本 田 正 文...